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2006/06/27(火)
ともだち 9
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3年が過ぎた。僕の息子もいよいよ大学受験を控えていた。勉強の中でどうしても分からないことが出てくると息子は僕に聞いてきた。もちろん僕に分かるはずはない。僕の友達に塾の先生がいるからと嘘をついては、屋根裏に上がり、彼に聞いた。彼はすべて答えてくれた。もちろんまた聞きのその説明を息子にするためには僕自身もかなり勉強をしなくてはいけない。 毎日が充実していた。彼はあきらめるということを知らないらしい。また彼の星ではそういう言葉はないという。その頃僕には悩みがあった。お金である。息子を大学に行かせるためには、かなりのまとまった金が必要である。そのことを彼に告げた。
「オカネ、オカネガヒツヨウナノカ?ソレナラツクレバイイヨ」 「カンタンニツクレルヨウナモノデハナイヨ」 「コノホシデハ、ハタラケバイクラデモツクレルダロウ」 「イチドニマトマッタカネガイルンダ」 「カリテカエセバイイ」 「デモタイヘンダヨ、シャッキンハ」 「カエセルカノウセイカセアルジャナイカ」 「カノウセイ?」 「ソウ、カノウセイダ、キミニハカノウセイトイウブキガアル、デモボクニハカノウセイトイウブキガナイ」 「ジブンノホシニカエレナイトイウコトカ」 「ボクノエネルギ−ハ、コノホシデハアトニネンダロウ」 「・・・・・」
僕は突然言い出した彼自身の寿命について唖然とした。永久にこの星では生きられるものと考えていたからだ。
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