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2004/05/19(水)
はじめの一歩
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トニーさんに落っこちてひと月ほど経った頃、何本か観たトニー映画の中で手元に置いておきたいと購入したのが『花様年華』と『ブエノスアイレス』。 何も考えずに観て何も分からないまま終わってしまい「なんじゃこりゃ」と思いつつ、繰り返し観ている内に、すっかりはまり込んでしまった2本。 非現実的なもののどこかノスタルジックなのに、人がもつ当たり前の感情がごく自然に表現されていて、シンプルでストレートなストーリーが逆にリアルさを増すのが切なくて堪りません。
最初に買ったトニー映画ということもあるけど、とにかく一番観たのがこれらでして、その後に『英雄』が物凄い勢いで追いかけてます。『インファナル・アフェア』はあまり観てないのが自分でも意外だったりしますが、理由は…ようするにエレベーターの中を観たくない…。『英雄』は大丈夫なのかよ、と自分でツッコミ入れつつ…だってヤンの顔がねぇ、悲痛すぎるんだもんねぇ…。何度観ても慣れるもんじゃない…泣。
それで、同時購入とはいえ観てる回数は『花様〜』と『ブエノス〜』どっちが多いのか?! と、どうでもいい事に記憶を辿ってみる。…が、これはどちらが好きかを選べばおのずと答えがわかる話で、それなら断然『花様〜』であります。
あの手この手で夫人を誘惑しながらうっかりミイラ取りがミイラになってしまった少々オマヌケな男を、ダンディズムの極致で演じてみせるトニーさんも、ほんのわずかな目線の動きで女心を表現しきってしまうマギーも、官能的で紅い映像も、カメラワークから音楽から何もかも全てが150km剛速球ストライクなのでございます。
『ブエノス〜』は終盤まで本当に救いがなくて、精神的に追いつめられたファイを観るのが居た堪れなくて…。と言いつつもウィンとの別れ→再会→別れ、チャンとの出会い→別れ、一連のファイの感情の起伏と、垣間見せる笑顔が痛々しくて愛しくって仕方が無いのだけど。 疲れている時は観れないって事もあって、こっちの方が少ないです。
というわけで、『2046』カンヌ公開(なるか今になって微妙になってきた)記念“1番好きなのは『花様年華』(かもしれないけど正直よくわからない)”とってつけたようにカミングアウトでございました。
最初に購入したのはこの2本だけど、トニー映画収集の第一歩はTV録画の『恋する惑星』……。私、王家衛が好きだったのか…知らんかった…。
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