|
2004/11/24(水)
ビッグ・フィッシュ
|
|
|
ティム・バートンのビッグ・フィッシュを見ました。 映像はリアルさを失わないままファンタジー感も充分で、かなり面白く見れました。 ちょっと捻じれた奇妙さと、ファンタジックな輝かしさ。 話の楽しさと合わせて、私としては名作の評価を送りたいと思います。
始めのシーンは主人公の結婚式なのですが、ここではまだ話がよく分かりません。 父親と息子の会話は仲が悪そうだし、息子の僻みが少々幼稚に見えます。 自分に置き換えると、とても主人公に感情移入出来るシーンなのですが。
途中で登場する隠れ里の様な町は、ちょっと意外でした。 あまり捻じれのない、郷愁に似た哀愁の感じられる場面でした。 レトロなドレスの人々が、ライトアップされた広場で踊る閉鎖された桃源郷の様な町。 裸足でも生きられる、出て行きたくないような場所。 後で寂れてしまったこの町が登場するのが、とても切ないです。
エンディングは、凄く良いです。 父親が自分の語ってきた物語へと同化する。 それは、ティム・バートンの永遠に対する考えなのだと思います。 世代を重ねて語り継がれることで、続いていく存在。 ‘物語’って素晴らしいと思うような、素敵な場面でした。
映像は全体的に綺麗です。 窓の外を埋める一面の黄色い水仙や、停止するサーカス。 暗く怪しい森や、水中の車、魚の美女。 そして、登場する人々も凄いです。 大男や小柄で狼男なサーカスの団長、美人なシャム双生児。 ティム・バートンのフリークス愛は健在でした。 奇妙な人々への親しみっていうのは、差別とかとは別のものだと思います。 作中にも登場しますが、‘サーカス’への憧れに近いものがありますよね。 主人公とその妻、両親も無論皆素晴らしいキャストです。 全てのキャラクターに愛着がわきました。
もともと‘BIG FISH’というのは、‘大きな嘘’という意味です。 釣った魚のサイズが、人づてに伝わるに連れて大きくなる様を表すものです。 でも‘物語’は、ちょっとぐらい大袈裟な方が楽しいのです。 大人になるに連れて幼稚さが邪魔になるというのは分かります。 しかし、成長を終えたらまた心に余裕を持って、‘遊び’を蓄えておきたいです。 いつか自分の子供に、思いっきり大袈裟で面白い冒険を話してあげられたら素敵ではないですか。 純粋な‘物語’の楽しさというのは、本当にいつまでも忘れたくないものです。
この映画は、本当にお薦めです。
「ビッグ・フィッシュ」←公式サイト様。映像の綺麗さが伺えます http://www.big-fish.jp/contents.html
|
|
|