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2005/04/18(月)
銀河鉄道の夜
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BSで鈴木キサブロー氏の「銀河鉄道の夜」をやっていました。 これはアニメなのですが、色々と賛否両論な作品です。 まず、登場人物が全て擬人化された猫。 そもそも、この文学的な作品をアニメにすること自体がちょっとした挑戦だと思います。
全体的に、暗いまま進む映像。 映る様々な物の、‘よく分からない’感じ。 唐突な場面の転換や、絵本の様な章の切り替え。 細野晴臣の音楽や重々しい聖歌。 猫でありながら、表情の細かいカンパネルラとジョバンニ。 確かに、色々と子供向けでないところはあるかもしれません。 でも、私は昔見たこの映画がとても好きでした。 よく分からなくて、でも確かに、何かが胸に響くと思うのです。 町並みの絵本の様な家々も綺麗だし、ラストのジョバンニの死が誤魔化されていない所も好きです。 死体は出ませんが、川の水面を撫でるライトの光はそれなりにリアルです。 「45分たったから、もう駄目だ」とはっきり告げられるのもなかなか衝撃的でした。 この映画で、私はずっと‘川に落ちて45分経ったら死ぬ’と思っていたぐらいです。
「わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です」 宮沢賢治、尊敬です。 こんなに煌めいて切ない、自己の認識。
ところで、先程物凄い雷雨が通り過ぎました。 一瞬にして空気が雨の香りです。
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