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2005/07/28(木) 「姑獲鳥の夏」
京極夏彦氏原作の映画「姑獲鳥の夏」、見て参りました。
個人的な感想ですので、お暇な方だけどうぞ。
まず、カメラワークと演出がとてもツボでした。
照明を使用した、舞台で演劇を見ている様な演出
魚眼レンズを使用したり、斜めに傾いたりした画面の構図。
蝉の声、鈴の音…素敵。蝉の声を風流だと思うのは、日本独特の文化らしいですが。
夏の嵐とか、圧倒的な蝉の声って妙に興奮する怖さがあると思います。
セットは、建築物が洒落てて、凝ってると思いながら見てました。
眩暈坂の風景は、心底好きです。もっと少し長いイメージでしたが。
墓に、猫に、塀に瓦に…日本の風景が好きなので、エンドロールの背景も最後まで見ました。

ストーリーは、小説を読んだ上で見た方が絶対楽しめる様な感じですね。
映画としても素敵ですが、どちらかと言えば小説のイメージの延長として見たいと思います。
怪奇!とか恐怖!て感じでは無くて、じりじり来る夏の狂気のイメージでした。
夏に見れて良かった…割と人が少く、正面で見れたのも幸いでした。
私は酷い近視な上、左目は視界が正常で無いので映画はとても目が疲れます。
スターウォーズの様に転換が激しいと、感動しなくても目が真っ赤です;
ところで、作中の榎木津は左目を失明した為に異能の視力を得ます。
片目が見えない、という事は、呪術において異能と関連付けられることが多いそうです。
実際にも、両目の視力が違うことで限定された知覚障害が出ることがあります。
例えば、視界が平面だったり、人の顔の区別が付かなかったり。
人と自分の見ている世界が違うと言うのは、不思議ですよね。

京極堂役の堤氏は、長台詞が凄かったです。
文字で読む分には気になりませんが、実際聞くと本当に長いですね。
じっと聞いていると脳が悲鳴を上げて眩暈がしそうです。
関口役の長瀬氏は、個人的にかなり好みでした。
基本的に、ある種の人々にとって‘危うい人’というのは非常に気になる存在です。
つまり、世話焼きとか物好き、好事家とか偏った趣味の人々ですが。
私の場合は、ほぼ全部当て嵌まっているので危うい人にはかなり惹かれます。
彼の様に、現実と狂気を彷徨う様な危うさなら、本当に魅力的です。
何故でしょうね。不思議ですが、その不思議さもまた楽しい。
榎木津役の阿部氏はかなり好きな俳優さんなのですが、やはり動きが面白かった。
活躍が地味なのでは、という意見も分かりますが、あの活躍を映像化するのは難しそうですね。
木場役の宮迫氏は、毎回演技が上手くて感心します。色々と出来る人なのでしょうね。
敦子役の田中氏は、衣装が少年探偵団の挿絵の様で可愛かったです。
今までの敦子のイメージが、かなり変わりました。
姉妹役の原田氏は怖くて哀しくて、それが綺麗でした。
表情や仕草、顔の造形や肌の白さがイメージどおりで感激です。
母・菊乃役のいしだ氏は、和服が似合っていて素敵でした。
怖くて悲しくて残酷で…人間て、複雑で面白いです。

ところで作中で出てきた、幻覚作用があるという白い大きな花。
ダチュラ…祖母の庭に咲き誇っているのですが;
水仙も鈴蘭も、のある植物は意外と身近に植わっています。
試したいとは思いませんが、何と言う事も無く弄りたいです。
そういうちょっとした好奇心と狂気は、意外と紙一重の様な気がします。
 


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