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2005/08/27(土)
人種差別
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アメリカ旅行に行った先で、在米日本人の御家族に御世話になりました。 そこで一番実感した米国と日本の違いは、人種が多様な国としての歴史でした。 勿論、広さや食物、物価や様々な文化も紹介して下さったので印象に残っています。 けれど一番ショックだったのは、御近所の人についての発言。 「その家の人、人種差別するんだよね」 御自宅から、すぐ近くでの発言でした。 人種差別の思想を持つ人が、すぐ近くに暮らしているという生活。 「黒人は卑しい人間、黄色人種は猿、そういう考え」 「日本人はお金があるし礼儀正しいから、まあ許す、っていう感じ」 全部が、日本では聞いた事が無い様な思想でした。
「中国人て危ないよね」ぐらいだったら日本でも聞いた事が有ります。 それは、一部の人の行動に対する一種の偏見ではあります。 けれどそれは、‘中国人に対する’嫌悪や蔑視とは違う様な気がするのです。 ニュースで見た事件などを基にした、用心の一種。 多分、ジンクスに近いニュアンスがあるのではないでしょうか。 ニュースで白い服の犯人が逃げたと聞いて白い服の人を警戒する様な、大まかな警戒心。
日本では、「日本人」と言えば一種類の民族しかいません。 勿論最近では外国からの方も増えていますが、基本的には同じ肌と髪と目の色。 それが理由なのか、もっと歴史的な理由なのか、人種差別という概念があまり無い様に感じます。 私は小学校から、人種差別は悪い事、過去の概念、という様な教育を受けてきました。 実際に街頭で聞いたとしても、同じ様に教育され、考えている人が多いのではないでしょうか。 だから、肌の色で人間としての差が有るという考えにはどうしても馴染めないのです。 昔はそういう事を言う人もいたんだよね、ぐらいのイメージ。 それが、実際に今でもそう考えている人がいて、身近に暮らしている。 結構なショックでした。悲しかったし、残念に思いました。
以前サマースクールで、イギリスに行った事が有ります。 生徒の人種は本当に様々で、年齢にも結構な上下差がありました。 中でも騒がしかったのは、7歳から10歳ぐらいの男の子達。 黒人の子が、韓国の子に向って「イエロー・モンキー!!」と言えば 韓国の子が、「じゃあ、お前はゴリラ!ゴリラ!」と返す。 白人の子が「猿とゴリラ!?とっとと動物園に行けよ!」と茶化せば、 二人は「え?誰か喋った?白くて壁と色が同じだから見えなーい!」と壁を叩く 「何だよ?見えるだろ?!」という主張に、声を合わせて『見えなーい!!』 そして、食後に持ってきたバナナの皮で殴り合いをしていました。 …なんて大らかな人種差別!(笑) 親達は引き攣っていましたが、子供達は出鱈目な英語で大笑いしながらじゃれている。 彼らの方がよっぽど進んだ世代だと思えました。
米国からの帰り道に立ち寄った観光地で、青年同士のカップルをみかけました。 アメリカ英語を話すイタリア系の青年と、イギリス英語を話すアジア系の青年。 静かな木陰で戯れている、それはとても穏やかで幸せに思える光景でした。 人種や外見が違っても、母国の言語が違っても、性別にも関係なく愛情が持てる。 そういう方が、ずっと素敵だと思います。
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