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2006/06/05(月)
異形の花々
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積読。
本を購入したものの、ポンと、その辺に積み重ねてあるだけの本。
俺はたまにやる。
購入したその日に読めばそうはならないのだけれど、その読みたい気持ちを過ぎた場合にはやってしまう。
俺は現時点で「仮面ライダー好き」で結構有名みたいだが、その大好きな仮面ライダーの中で最も好きな話が「仮面ライダー555/ファイズ」である。
その放送が終ったのは2004年1月。
それから約半年後に出版された本が、「仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々」だ。
この著者は井上敏樹氏。
1年間の仮面ライダーファイズの放送で全ての脚本を手がけた人物だ。
俺が仮面ライダーを好きなのは、プロデューサーと脚本によるのだが、ほぼ同時期に出版されたプロデューサー、白倉伸一郎氏の著書「ヒーローと正義」は、購入したその日に読んでいた。
が、井上氏の著書である、「仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々」についてはそうでなかった。
積読。
してあったままであった。
今日はなかなか寝付け無かった、そんな理由でその本を再び手に取った。
面白かった。評価は5点満点中、3点+αかな?
実際、読み進むうちに物語に引き込まれ、頭の中には文章が映像となり、役者の声が響き、涙する場面もあった。
が、だ。
それは本を手に取り、読み進む内に感動する、もしくは、読後の感動とは違う種類の感覚に気付いた。
ファイズの物語は、テレビシリーズで1年間を通して描いてある。
それを、たった260ページ程で描ききれる訳ではない為に、著者いわく、「ファイズの真髄のような物語、〜銃に弾丸をこめて標的を一発で打ち抜くような物語」を書いたそうだ。
テレビシリーズに登場する、様々な人物全員は登場せず、ある程度絞られ、設定も謎も異なりながらも、全編を通してみれば、テレビで描いた世界観は同じ感じである。
つまり、「主題は同じ」なのである。
が、俺が登場人物に感情移入したり、頭の中に映像が浮かび上がったり、人物の声が聞こえたりしたのは、1年間、テレビ放送を見たいたからに他ならない。
この本を読む事で、もう1度、「仮面ライダーファイズ」の物語を整理出来たから、テレビで与えられた感動が甦っただけの事なのだ。
ここで重要なのは「物語を整理出来た」事である。
1年間を通して描かれる物語だと、よく出来た作品ならば、否が応でも感情移入が芽生える為に、より深く、その物語へ入り込める。
が、感情に流され、冷静に物語の行方を追えなくなることもある。
この著書の評価されるべき点は、やはり、著者の狙いがそのまま評価のポイントに成り得る所ではないか。
「ファイズの真髄のような物語、〜銃に弾丸をこめて標的を一発で打ち抜くような物語」
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