砂の上の文字群
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2005/11/26(土) 夢に出そうでいーやー
今日は、「ジェームズ・アンソール展」を観に、高松まで行ってきました。この人、仮面や骸骨を題材に、風刺的な絵を描くって聞いてたので、興味津々だったの。そんなわけで、これが初めての出会い。

感想…え、えーと。
ものすごかったです、なんか。うん…(ばったり)。
あんまりいいこと書いてないので、一応反転にしておくね。好きな人もいるだろうし。


会場は、三部構成になってました。最初は、まだこの人独特の画風になる前の、暗い色を厚塗りしたタイプの絵画。全体にぼんやりして見難いかな?とは思ったのもの、この段階の絵は、割と好きな色合いでした。林檎の静物の絵なんか、タッチがすごく魅力的に思えて、ポストカード欲しかったもの(なかったけど)。

ところが、初期の画風が時代の流れとともに「古臭い」「前衛の中の後衛」などと呼ばれ、見向きもされなくなったあたりから、画家の心と画風には重大な変化が起こったみたいなの。それまでの地味な色遣いは消え、毒々しいピンクに水色、といった、歪さ(単色でみたら綺麗なのに、一緒にあると気持ち悪いものなのね・・・)を感じさせる配色に、不気味な骸骨や仮面、首吊り死体なんかが跋扈しはじめます。

この仮面がね、ほんとに、怖い。日本の能面(あれは、左右対照な均整美がかえって壮絶な気がするんだけど・・・)なんかの持つ怖さとは、ちょっと異質な怖さなんだ。こちらを黒い笑いで嘲笑してる、得体の知れないものたち。見てると、ものすごい笑い声がこっちに迫ってくるような絵。日常を柔らかい粘土に描きこんだものに、腕を突っ込んでぐんにゃりとひんまげたような、怖さ。あわわわ・・・。

でも、これだけだったら、まだ「わー不気味、でも面白いかも・・・」で済んだんです。だけど奥に行くに連れて、そういうことじゃない不快感が・・・。

アンソールは、油絵作品だけじゃなくて結構版画作品も手がけているんだけど、そちらになると、目を背けずにはいられない。だって、嘔吐ぶつやら排泄物をことさらたくさん描くんだもの!やめれ!
そういうものの周りに、無数の歪んだ顔、顔、顔。汗だくの顔?と思ったら、毛穴から血が吹き出してるものだったり、顔に何かささってたり、内臓が出てたり。食事十分後に見るとね、もう、ほんとに吐きそう・・・(死)。母も私も、出口付近ではどんより、でした・・・。
グロテスクな絵が駄目なわけじゃないけど(この人のじゃない作品なら、別に平気で観ていたし)、これはちょっと、精神にきます(それだけ、エネルギーを持った絵ということではありますが)。風刺じゃなくて、個人的な憤懣と恐怖と暴力が支配しているように思えた。世界がこんな風に見えてたとしたら、この人は生きるのが恐ろしかっただろうなー。描かずにはいられないほどに。
でも、私はもうちょっと、乾いた笑いがあるもののほうが好みだよー。


あ、でもその後行った栗林公園は、最高に綺麗でした(>_<)。今年一番綺麗なもみじを見た・・・。鴨がね、いっぱいいた。映画「春の雪」のロケをやった、ということで、あちこちでそんな説明もしてたなあ。

鴨池で、いきなり母が「ここって、お父さんとのデート地だったのよ」と言い出すのにはびっくり。
デエト!!!!!!へー・・・そんな時代もあったの!(ひどい)

公園の外れには蓮池もあった。もう、完全に枯れていたけど。なんだかね、錆びたシャワーの口がいっぱい残ってる廃墟みたいな趣があったよ。

・・・そんなこんなで、結構楽しいおやすみでした。強烈なものもみたけど!


落書き。画用紙に、パステル使ってみたんだけど、スキャナーとの相性は最悪でした。
パステルもいつの日か、ちゃんと仲良くなりたい画材だ・・・。


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