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2006/01/08(日)
さらば、古畑任三郎。
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三谷幸喜の芝居は サンシャインボーイズと解散後で 3〜4本は観たと思うが、もう記憶が薄れている。
それより、テレビで観た舞台版の「笑いの大学」が 今もまだ鮮明に残っている。あれは面白かった。
三谷幸喜は本当に シチュエーションコメディが上手いのか? それが、私のずっと以前からの疑問だ。
芝居の最高傑作は、上記の「笑いの大学」。 そして、シナリオでの最高傑作は「古畑」。
これが、世間一般の定評だと思うのだが 一見して分かる通り、両方とも登場人物が少ない。 基本的に、二人だけの会話を中心に進んでいく作品だ。
初めて出会い、決して相容れないはずの二人が 「検閲」や「捜査」を通じて会話し、接近していく。 その過程を描くことこそが、三谷幸喜の真骨頂ではないか?
そして今回、テレビでの代表作「古畑」が終わる。 ネット上に、「古畑ファイナル」のサイトが公開されている。
http://www.fujitv.co.jp/furuhata/index2.html
ここで、田村正和のインタビューを読むことができる。
「・・・パート 1 は、結構夢中だったし、 パート 2 は自分なりに円熟した古畑だったな、 という気持ちもあるし、 パート3は大分疲れてきているな、と思いますよ」
かなり正直に、色々と語っていて面白い。 知られている通り、古畑は当初、 本当に刑事コロンボのような造形を与えられていた。 それが、あのように変わったのはやはり 役者・田村正和の力があったからだ。
確かに、三谷幸喜は上手い。 しかし、田村正和は、その上手さを越えている。 田村正和だけが、三谷幸喜を凌駕している。
そういう存在を中心に据えて 台本を書くことの楽しさといったらないだろう。 自分を越えていくような仕事ができる相手との出会い。 そんな幸福感に満ちた作品が終わる。
上記の田村正和の言葉からも分かるように 多分ここが潮時なのだろう。
そして、最後の力を全て投入したと思える 素晴らしい出来の3本が、僕らに届けられた。 台本も、演技も、音楽も、細部に至るまで楽しめた。 これがタダで観られるのだから、テレビってすごい。
ありがとう。そして、さようなら、「古畑」
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