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2004/10/21(木)
平和ボケ
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私はこの「平和ボケ」という言葉が大嫌いだ。 平和で何が悪い。ボケ〜ッとして何が悪い。
ずっと戦争が無いから緊張感に欠ける とかなんとか言う奴は、自分が戦争に行けばいい。 イラクと戦争したくてたまらなかったブッシュは 自分は若い時にズルして戦場には行っていない。
映画「華氏911」で暴かれているように、 実際にイラク戦争に駆り出されているのは 不況で就職の無い街で軍の募集官が活動して 集められてきた貧しい若者達ばかりだ。
何のために彼らは戦うのか? アメリカの金持ち連中に 石油の利権をもたらすためだ。 そのために彼らは死んでゆく。
台風23号で70人以上の人が死亡し、 今も行方不明の人たちがいる。 自然災害による死亡件数としては 阪神大震災以来、最大の数字だという。
国や戦争が生まれる前、 家族や集団で自然や猛獣から身を守りつつ 生き延びて食べていくために 獣と戦い、危険に挑む人々の日常があった。
映画「WALK ABOUT」では、 超ミニスカで金髪の英国人・女子高生が、 5歳くらいの弟と二人で、オーストラリアの 砂漠地帯を放浪する羽目になる。
水も食べ物も尽きて死にそうになった時、 原住民の青年と出会い、救われる。 彼は、大人になるための儀式とでもいうべき 「放浪=WALK ABOUT」の最中だった。
少女と弟は、青年に、 砂漠で生きる知恵を教わっていく。 青年は槍で狩りをして火をおこして調理し 二人に食べ物を与えてくれる。
女子高生はずっとミニスカで 青年の話す言葉は、結局最後まで通じない。 弟は言葉を覚え青年を手伝うが 少女は何もできない自分を知る。
戦争による緊張感なんて必要ない。 軍隊に入って規律を身に着ける必要など全く無い。 緊張感がどうこう言う奴は自分が、 何の道具(=文明)も持たずに砂漠に行けばいい。
台風や地震は、人間の弱さを教えてくれる。 完全な平和などあるわけはないのだ。 天災も、交通事故も、病気も、失業も、 明日私達の身の上に降りかかっても不思議ではない。
そのことを、時々思い出すだけで十分だ。 それだけで、平和な日常の壊れやすさはすぐ分かる。 昔流行った言葉「メメントモリ 死を想え」だ。 それだけで、平和な時間は少しだけ、奇跡に思える。
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