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2004/10/31(日)
いつもと同じ、いつもの電車
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いつもの朝の電車に 同じ駅から乗り込んでくる なんとなく怪しい、若い男の二人組がいる。
二人ともスーツを着て 姿勢がよくて直立不動で 黒いカバンを両手で体の前で提げている。
お互いあまり視線を交わさず 決して吊革を持たずに外の景色を見たまま ボソボソと小声で会話を交わしている。
・・・この二人は何者なのか。 それを想像するのが、朝の楽しみの一つだった。
いつも、私から少し離れたところで喋っていて 会話の内容は聞こえず表情もあまり変わらないので 怪しいと思い始めると、どんどん怪しく感じてくる。
宗教団体か、変な政治結社の人間なんじゃないかと 勝手に想像して、毎朝これからどこへ行って 何をしているのかと、妄想を膨らませていた。
ところが、たまたま彼らが 電車にギリギリで駆け込み乗車して 私の横に並んで立った。
単に、普通の会社の先輩と後輩のようだった。 携帯電話の新機種のことなどを話題にしていた。
幻滅した。 全然普通の奴らじゃん! 秘密めいたところなど一切無くて、つまらない。
謎は、謎のままのほうが良かった。
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