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2004/03/08(月) 画家アドルフ
「アドルフの画集」という映画を観た。
これから観ようと思ってた人は
ネタバレなので観てから読んで下さい。

アドルフというのは勿論、あのヒトラーのことである。

彼は若い頃、画家を志していた。
それが何故、ああいう人生を送ることになったのか。

水木しげるの漫画で多少知ってはいたものの
ずっと気になって、引っかかっていた。
そこを、この映画が見せてくれた。

ブッシュにしたってヒトラーにしたって
あるいは画家にしたって作家にしたって

「妄想で世界をデザインする」

という意味では、同じである。
ただ、権力者は他人を殺すのが仕事で
画家や作家は紙を相手にしているだけだ。

映画の原題は「マックス」。

マックスという名の、ユダヤ人で片腕の画商がいて
アドルフに注目して彼に
「俺が売るから君は絵を描け!」と言う。

アドルフは技術はあるが、
まだ自分のモチーフを掴めないでいる。
そして何度もマックスに尋ねる。「俺に才能はあるのか?」と。

彼は逆に、演説の才能を認められて
軍からは重宝されるようになっていく。
でも、絵は捨て切れない。
マックスが、彼を絵画の側に引き止めている。

ある日、マックスはアドルフの部屋で
彼の頭の中にある架空の「第三帝国」の
建築や軍服のデザイン画を発見し、「これだ!」と叫ぶ。

マックスはこれこそアドルフの才能だと確信し、
彼を「未来派」の一人として売り出そうと考える。

しかしマックスは
アドルフとの待ち合わせ場所に着く前に暗殺され、
それを知らないアドルフは、
完全に裏切られたと思い、立ち去ってしまう・・・。

ここで映画は終わる。
これが実話なのかどうかは知らないが、
その後のアドルフは、
絵の中にあったイメージを現実化させてしまう。

友達のいなかったアドルフの
唯一の友人とも言えるマックス。

アドルフがいなくても
ドイツはああなったかも知れないが、
本当に真剣に画家を志していた、というのが哀しい。

「俺はもう30だ!なのに誰も俺のことを知らない!」

・・・この映画は青春映画だった。

その後の展開を、私達は「歴史」として知っているが
アドルフにとっての世界は、
マックスに裏切られたと思った時に、一度終わってしまったのだ。

だから彼はもう一度自分の手で
世界を作り出さなければならなかった。
たまたまそれを喜ぶ人たちがいて、彼を支持した。

そんな単純なことではないのかもしれないけど、
30を超えて芝居や音楽を止めてしまう人々の
その後の人生のことを、いつも考えてしまう。

アドルフにも青春時代があったのだ、当たり前だけど。

それにしても、ブッシュとフセインが無人島で知り合ったとしたら
それでもやはり、敵同士になっていたのだろうか・・・?


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