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2004/04/01(木)
ご近所の人
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山根さんは、私の家のすぐ近くに住んでいる。 歩いて多分5分ほどの、本当に目と鼻の先だ。
今まで知らずに近所に住んでて 知らないままにすれ違ったり同じ店で買い物したり 近くに住んでいるけれど全然別の日常を送っていた誰かと ある日を境に突然知り合いになる。
そういうことがあると 生きてるって面白いな、と単純にそう思う。
世の中には、例えば被害者と加害者として出会う といった不幸な出会いが無数にあって、 新聞の一面を飾るのは大概、不幸な出会いのほうで そうではない、ちょっとした出会い というのはそれほどクローズアップされない。
されないけれども、世の中には確実に 「生きてるって面白いな」と思える出会いがあって そんな出会いが私の人生を支えているのではないか?と思う。
山根さんは一見、役者っぽくない感じがする。 芝居をやっている人っぽくない。 変にエキセントリックなところが無いのだ。
稽古が始まっても、割と普通に立っている。 普通だなー、と思って見ているとしかし、いつの間にか ナチュラルなままで役者の顔に変わっている。 いつ変わったのかが分からない。 あくまで普通なまま、その延長線上で変化が訪れるのだ。
普段から役者っぽい人が、いい役者であるとは限らない。 普段はごく普通の人なのに、舞台に立つと変わる というタイプも結構いて、山根さんは多分その一人だ。
今日も彼女は稽古場の隅に座って 稽古を普通の客みたいに楽しんでいる。
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