大沢＠旅日記

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	2004/05/07(金) 殺人の追憶

韓国映画を観た。

流石に「シュリ」を超えるものには
なかなかお目にかからないが
それでも充実しているのは間違いない。

で、何がいいって役者がいい。
ちょっと長いな、と思い始めたあたりで
真犯人が登場するのだが
刑事二人とこの犯人との表情バトルとなる
終盤が、この映画で一番面白い。

表情バトルである。

薬師丸ひろ子が３０台になってから
主演したいくつかのＴＶドラマを
私は好んで見ていたのだが
彼女が画面に登場すると、台詞がなくなっていく。

表情で様々なことを語れるので
台詞が必要ないのである。
あるいはもともとは台詞があったのかも知れないが
彼女の演技で十分なのでカットしたとも考えられる。

実は、ニュートラルの芝居も
そういう風に作っている。

最近はやっていないが、
以前は「なにもしない」という稽古をやった。

役者を椅子に座らせて、
「基本的になにもしないでください、
　何も喋らないでください」と指示して
そのままみんなでじっとその役者を眺める。

それだけの稽古である。
私は最初に時計を見て
その役者の「存在感」がもうこれ以上もたない
と感じた瞬間までの時間を計る。

それが１分なら、その人は「１分の役者」であり、
１０分なら「１０分の役者」なのである。
そしてもちろん私は
その時間が長い役者が、いい役者だと思っている。

芝居の台本も、最初は色々と書き込むが
できればどんどんカットしていきたいと考えている。
役者の表情で表現することができるなら
台詞はいらない。

で、映画「殺人の追憶」の終盤には台詞が無い。
ただただ役者達のアップの応酬があるのみだ。
韓国映画の充実は役者の充実によって支えられて
いるのだと、強く感じさせられた映画だった。

	2004/05/06(木) ヴァイヴレータ

映画館に足繁く通う人ならば
最近の日本映画の充実ぶりを
ひしひしと感じているはずだ。

ＢＬＵＥ、ジョゼ、そして
ヴァイブレータと
傑作が続いている。

ＢＬＵＥは市川実日子と小西真奈美の
ジョゼは池脇千鶴と妻夫木聡の
ヴァイブレータは寺島しのぶと大森南朋の
それぞれほぼ二人芝居の作品だ。

世界に二人きりの
長い長い無言の時間も含めた
ダイアローグで構成された作品が
私はやっぱり好きだ、ということがよく分かった。

芝居にせよ、映像にせよ
そういう作品が一番後まで残る。

そういえばちょっと前に、夜中にテレビで
「ＳＵＮＤＡＹ　ＤＲＩＶＥ」をやっていた。
これは隠れた名作だと思っていたのだが
やはり基本的に二人芝居のロードムービーだ。

で、「ヴァイブレータ」も同じく
ロードムービーだったわけだけど、
正直言って寺島しのぶという人が
こんなにいい女優だとは知らなかった。

見ようによっては美人にも見える
３０過ぎの独身の女性、というポジションが
あまりにもぴったりで時々息を呑んだ。

コンビニで出会った異性と
いきなり旅を始めてしまう。

そんなことあるわけねーぞ、と思いながら
いやいやあるかもしれないな、と思いながら
自分もふらりと旅に出たいと思いながら。

	2004/05/05(水) プチＧＷ日記④

そういえば
しばらく映画を見ていないことに気がついた。

最近芝居を観る本数が減ったかわりに
週３～４本映画を見ていた時期もあったのに、
「音楽が呼んでいる」の稽古が始まってからこっち
１本も映画を見ていないと気づいて愕然とした。

「こんなに長いブランクは初めてだ。」
そう思ったら、自分の中でふつふつと
映画鑑賞欲が高まっていくのを感じた。

明日からしばらく映画を観よう。
考えても仕方の無いことを考えても
また頭痛が始まるだけである。

映画館へ行こう。そうだ、そうしよう。
というわけで、今日は明日に備えてもう寝ます。

	2004/05/04(火) プチＧＷ日記③

今日は雨。
頭痛がしてどこにも出かけない。

久しぶりの頭痛だ。
しばらく無かったし、忘れていた痛み。

以前は自分は頭痛持ちだと思っていた。
けれど気がついたらどこかへ去っていた。

それが再びやってきた。

考えてもどうしようもないことに襲われて
弱った頭に痛みが戻ってきた。

芝居が終ってからも
自分の周りで色々なことが起こる。

何かが動いている気がする。
それは、自分の気持ちが動いているせいか？

	2004/05/03(月) プチＧＷ日記②

それにしても、
気持ちよいというのは素晴らしい。
その時々の気持ちよさを
最優先にして生きたいものだと思うが
なかなかそうは行かない。

毎日が夏休みならいいのに。
毎月ゴールデンウィークがあればいいのに。

そう言えば南の島に行くと必ず
２～３週間バカンスでのんびり滞在して
ハンモックの上で本とか読んでいる白人がいるが
どうしていつまでたっても
日本人にはバカンスが無いのだ？
不況とはいえかなり豊かな国なんじゃなかったのか？

バカンスとシエスタ。
この二つは憧れのキーワードである。
バカンスとシエスタのある人生になればいいのに。

で、今日は南の島ではなく
農業公園というやつに行って来た。
地方の遊園地が次々と閉鎖されていく中
かわりにどんどん増えているのがこの農業公園だ。

整備された自然の中で自然を味わう場所、
とでも言ったらいいのだろうか。
牛とか馬とか羊とかがいるすぐ横で、
売店でアイスやファーストフードを売ってたり
ゴーカートができたりする。

すぐ近くで自然を味わえる手軽さが
受けているのだろうか。
かなりの人が来場していた。

遊園地の気持ちよさから
農業公園の気持ちよさへ。
ジェットコースターの気持ちよさより
森林浴の気持ちよさ？

りんごが木になっていることを
知らない小学生がいる、ということが
ひと頃話題になったが、そういう都市化都市化の
流れに対する反動だろうか？

とりあえず、ここには目の前をぐるぐる回転するものや
金属の車体が通り過ぎる時の轟音は存在しない。
すべてが比較的ゆっくりと静かに動いてゆく。

そういう光景を眺めていると
みんな本当に疲れて癒しを求めているのか？
とか思ってしまう。
本当にそうなのだろうか？
わからない。不思議だ。
・・・いやまあどうでもいいんだけど。

状況を語れば語るほどつまらなくなる。
自分の気持ちよさとは何か？
どうやったら気持ちよく生きられるか？
それこそが問題なわけで、
じゃあ私にとって農業公園はどうだったか
というと、まあ危険の無い自然だから
楽しさもそこそこ、って感じだろうか。

	2004/05/02(日) プチＧＷ日記①

奈良へ行った。

芝居が終って芝居のことを忘れて
ひとつ観光でもしてやろうと思い、
観光なら京都か奈良かということで
芝居を観に京都に行くことはあるが
芝居を観に奈良へ行ったことは無く
大仏様の顔もすっかり忘れたので
久しぶりに奈良へ行くことにした。

たまたま今日は何かの法要らしく
テレビ局も来ていて
いろんな装束の人々が
行列になって歩いていくのを見た。

武蔵坊弁慶みたいな衣装の一群がいて
基本的にはみな恐らくお坊さんなので
衣装が似合わない真面目な感じなのだが
その中にマジで髭ぼうぼうで
いかにも弁慶な人が混じっていて
その人がお坊さんだったのかどうか
しばらく気になった。

そんな写真も色々撮ったが
結局大仏様の写真を載せることにした。
これは斜め後ろから見た大仏様。

前からより後ろから見たときのほうが
「生きている」感じがして
シャッターを切った後
別に仏教徒でもないのだが合掌した。

合掌は気持ちがいい。
十字を切るのも多分、
慣れれば気持ちの良いものなのだろう。

例えば「君が代」に文句があるとすれば
歌詞の内容云々ではなくまず
いくら唄っても気持ちよくない
という点だろう。

例えば「仰げば尊し」などは
唄ってて気持ちいい。
国歌もああいう旋律になればいいのに
と思うがまあどうでもいい。
学校を出たらもう一生唄うことも
ないような気がするし。

	2004/05/01(土) さかのぼり日記②

ＧＷに突入した。
「音楽が呼んでいる」以降、
初めてのまとまった休みである。

今日は朝から
舞台美術で使ったＣＤの整理をしていた。
と、森下君からメールが来ている。

・・・しまった！
４／１８の日記を
書いてる途中で寝てしまっていた！

予告していたとおり
坂口君とヨダさんの話を書いて
打ち上げカラオケの話へ移ったところだった。

・・・そもそも、
「絶対毎日書く」という当初の姿勢が
かなりグラグラになってきている。

ていうか、かなりしんどい。
書くことは色々あるけど、「毎日必ずＰＣの前に
座る時間」というのがなかなか取れない。

／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／

ということで、
今月から毎日書くというルールを外します。
でも、必ず週に１度は書きます。

時間が取れればもちろん毎日でも書くし
面白いことがあったら、
さかのぼってでも書いていきます。

ちなみに４／１８の日記、
さかのぼって追加修正しました。

／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／／

芝居が終ってからも
なにかと色々と忙しい。
時間はどんどん過ぎてゆく。

人とは会って話すのが一番いいと、再確認する。

生きてるといろんなことがある。
季節は巡り、時間は繰り返す。

直線的な時間と、円環的な時間と
二つの時間の中を生きている。

今度の芝居をやったことで
１０年ぶりくらいに会えた人がいる。

それだけじゃなくて、
色々なことが重なって、
何かがまた戻ってきている気がする。

時間は繰り返す。そういうこともある。