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2004/07/11(日)
愛し愛されて生きるのさ。
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深夜のテレビで ケータイの着メロランキングをやってて 小沢健二の「ラブリー」が2位に入っていた。
もう10年くらい前の曲だ。 それに、オリコンチャートで 1位になるような曲でもなかったはずなのに。
最近、復刊したものを足して 岡崎京子の単行本をすべて揃えた。 時々パラパラとページをめくると 「愛し愛されて生きるのさ」が そのまま台詞で出てくる。
岡崎京子が事故に遭った時、 小沢健二も見舞いに駆けつけたそうだ。
最近どんどん作品が復刊されたり 新たに単行本化されたりするのは、 本人がかなり回復してきている 証拠なのだろう。
だけど、新作は出ない。 まだ、マンガは描けない状態なのだ。
それにしてもこの 「愛し愛されて生きるのさ」は 非常にシンプルながら それまで誰も使わなかったフレーズで、 究極の幸福状態を示す言葉として 今も人々の心に残っていることを 着メロランキングの結果が示している。
例えば、今流行の 「世界の中心で、愛をさけぶ」 というタイトルは ハーラン・エリスンの 「世界の中心で愛を叫んだけもの」 が元ネタで、確かにいいフレーズなので 音楽の世界では歌詞の一部とかに 以前から使われていた。
しかし、それをバーンと メインタイトルに持ってくるのは どういうつもりなんだろう?
確かに、インパクトのあるフレーズだし 元ネタの存在を知る人は少ないだろうから 川内倫子による美しい表紙の写真と 柴咲コウのあからさまな宣伝文句で 「売れるだろうな」という感じだったが 実際売れたのは出版社の作戦勝ちだろう。
HEPファイブのエレベーターの中で 女子高生が「世界の中心で・・・」は 柴咲コウが書いたと思い込んで「凄いな!」 とか話してたのも、やはり宣伝の結果だろう。
本当に作品が良いのなら、 できれば違うタイトルで勝負して欲しかった。
で、ちなみに今ネットで検索してみると アニメのエヴァンゲリオンの最終回も 「世界の中心で愛を叫ぶ」だったらしい。 (この場合は、確信犯的な使用だろう)
てことは、かなり有名なフレーズってことだ。 なのに何故?と思ったら、実はもともと 作者の片山恭一氏の案は「恋するソクラテス」 だったのが、編集者の案のほうがインパクトが 大きいのでそっちが通ったらしい。
まあ、出版社も商売だし片山氏も無名だったから そういうこともあり得るだろうし、なにより ベストセラーになったんだから結果オーライだろう。
ただ知りたいのは、 片山氏が元ネタの存在を知っていて エヴァンゲリオンのことも知っていて その上でOKを出したのか?ということだ。
まあ、どうでもいいか。
久し振りに オザケンの「LIFE」を聴いてみる。 一生に一度しか作れないような、奇跡的なアルバム。
愛し愛されて生きる、というフレーズを聴くと ジョン・レノンとオノ・ヨーコを思い出す。 ジョンは死んだ。だからそれは永遠になった。
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