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2004/07/04(日) 破壊と再生@
テレビをつけると山瀬まみが出てきて、
ワイドショー講座とかいうのが始まった。

野沢尚が自殺、でまず驚いた。
野沢尚は、豊川悦司のTVドラマ「青い鳥」や、
キムタクの「眠れる森」とかの脚本家である。
つまり、かなりの売れっ子である。

その上、小説を書き始めたらすぐに
「江戸川乱歩賞」とかも取ってしまって
いやあ順風満帆ですねぇ、とまわりは言うに
違いない経歴の持ち主である。

でも自殺した。
理由はまだ分かっていない。

伊丹十三とか、レスリーチャンとか
キャリア的にもまだまだこれからでしょ?
という人が、時々突然自殺してしまう。
それが本人にとっても「突然」だったのか
そうではなかったのかは分からないけれど。

私は、野沢尚のシナリオを
一冊だけ買って持っている。

それは「結婚前夜」という
NHKの地味なドラマで
NHKの5回連続ものというだけでも
地味なのに、さらに地味を加速したのは
主演が夏川結衣だったことだ。

この夏川結衣は前述の「青い鳥」で
トヨエツの相手役に大抜擢された人で
「青い鳥」というドラマは基本的に
トヨエツ&夏川結衣&鈴木杏の3人を
嫉妬に狂った佐野史郎が追いかける、
という話だったのだが
人気絶頂のトヨエツと、
ここから人気爆発していく鈴木杏の間で
夏川結衣は、確かに色気はあるけど地味
という印象だった気がする。

そんな彼女をしかし
野沢尚氏はかなり気に入っていたようで
「青い鳥」への大抜擢も然り。
そして主演ドラマ「結婚前夜」である。

で、ここまでけなしてきたようだが
では私はなぜ、この「結婚前夜」の
シナリオを買ったのか?

それは当然、凄く面白かったからである。
細やかさにあふれたいい台本で
しかも夏川結衣は今までになく
非常にナチュラルで繊細な演技を見せた。

脚本家が
気に入った女優のために
心を込めて書いた・・・
要するにこれは
非常に幸福な作品であった。

この夏川結衣はしかし
一見凄く幸薄そうである。

そして、幸薄そうというとすぐに思い出すのが、
脚本家・野島伸司の自分でも超えられない金字塔、
「高校教師」「人間・失格」「未成年」三部作の
ミューズ、桜井幸子である。

彼女もまた、大抜擢された女優であった。
ほぼ無名に近かったにもかかわらず、
「高校教師」の台本を読んでドタキャンした
観月ありさに代わってヒロインを務めた。

しかし、実際ふたを開けてみると
どう考えてもあのドラマのヒロインは
彼女以外にはありえないという出来栄えだった。
それはもう、ちゅらさんが国仲涼子以外
ありえないのと同じくらい絶対的なハマり方だった。

野島伸司自身、心の底からそう感じたのだろう。
だから、三部作のミューズに彼女を選んだ。

それにしてもその桜井幸子も、
幸子という名前にふさわしく、
本当に幸薄そうに笑う人なのである。

どうして脚本家の気に入る女優は
みんな幸薄そうなのか?やっぱり
放ってはおけない気持ちになるのだろうか?

なんだか野沢尚の自殺から
若干ずれてきてる気もするけど、
なんでこんなことを書いてるかというと、
その地味な作品「結婚前夜」のシナリオの帯には
台詞の一つが抜き出して載せてあったから。

それは、こんな台詞。

「大切なものを手に入れなきゃいけない時に
 手に入れなかったら・・・・・・それは、その時
 死んだってことです。それから先は、後悔
 ばかりの死んだ人生ってことです。」


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