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最新の絵日記ダイジェスト
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2006/09/09 大沢@旅日記、引越します。
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2004/09/27(月) ディープ・ブルー/バレエ・カンパニー
●ディープ・ブルー

ステップ・イントゥ・ザ・リキッド
と同じく、「NO CG」な映画。

海の生物を撮影した
膨大なフィルムの中から
厳選されたシーンで構成。

時々、今まで見たことも無い
映像に出くわす。
CGは人間の想像の産物だけど
海は人間の想像を超えている。

人間なんか関係ない。
関係なく生きている、世界がある。

ああ、人間の想像を超えたい!!

●バレエ・カンパニー

ロバート・アルトマンの新作。

そして、企画・原案・主演は
ネーヴ・キャンベル。
・・・誰だっけ?

そう。
「スクリーム」三部作でヒロインを演じて、
その後はあまり見かけなかった女優さんである。

「スクリーム」で、この人の怖がる顔は良かった。
そういえば昔「冬彦さん」という役で
状況劇場出身の佐野史郎がブレイクしたが、
ストーカー冬彦に追われる賀来千賀子の
怖がる演技も相当凄くて、
引きつって大声出して
ドラマを大変盛り上げていたっけ。

で、この映画はバレエ・カンパニーの話だから
最初から最後まで
バレエのシーンが満載なんだけど
このネーヴ・キャンベルの踊りが良い!上手い!
すべての踊りを吹き替えなしでやったとのことで
ミュージカル出身のキャサリン・セタ・ジョーンズが
映画「シカゴ」で見せた
あの生き生きとした感じを思い出す。

バレエ界出身なのか?ネーヴ・キャンベル!
踊って、演技して、また踊る!
スクリームのことなど完全に忘れちゃうぞ!

2004/09/26(日) 誰も知らない
やっと観た。

タランティーノが「ヤギラユーヤ!」
と叫んだ理由がよく分かった。
というか、予告編を観た段階で
既に分かっていたことを再確認した。

この映画は基本的に
彼の変化を追うことで成立している。
演技ではなく本当に成長していく
その「時間」が、「季節」が、
カメラに収められている。

主演男優賞は、
この映画にもっともふさわしい。
なぜならこの映画は
もう一人の「ヤギラユーヤ」に
捧げられるべきものだからだ。

という趣旨のことを
音楽を担当したゴンチチの
チチ松村さんが書いていた。

この映画は、
現実に起こった事件を題材にしている。
もう一人の「ヤギラユーヤ」とは
映画の中で起こったことを
現実に生きた少年のことである。

正直、この映画に近い現実を
私は今、日々味わっているところだ。
だから時々「作られたもの」が
虚しくて仕方ない時がある。

今の世の中のダメなところを
色々とあげつらう事は簡単だ。
アメリカの恐怖政治が弱肉強食が
世界の隅々まで浸透していくだけだ。

では、どんな世界になればいいのか?
今よりいいどんな世界が可能なのか?
それを考え始めると途端に
迷路に入り込んでしまう。

そんな時、
天下国家がどうこうではなく
まずは「誰も知らない」を観る。

2004/09/20(月) ハウルの動く城!
忙しくて日記が書けねえ!
てやんでえ!べらんめえ!

・・・ところでこの写真は、
深夜ひっそりと移動する
あの「ハウルの動く城」を
偶然暗視カメラが捉えた
貴重な映像の1コマである。

2004/09/13(月) 16歳の合衆国/秋刀魚の味/雨月物語
●16歳の合衆国

世の中には2種類の人間がいる。
スウィングする人間と、スウィングしない人間だ!
・・・これは、「スウィング・ガールズ」の台詞。

世の中には2種類の人間がいる。
世界に溢れる哀しみを感じ取る人間と、感じない人間。
世界は哀しみに満ちている。
どんな喜びも、命も、いつかは失われてしまう。

主人公は、常に、過度にこの「哀しみ」に反応する少年。
そして彼はこの「哀しみ」を感じるが故に
殺人を犯してしまう。敏感であるが故の不幸。

確かに、ある意味鈍感でなければ、生きていけない世の中だ。
しかし、自分の鈍感さを自覚しつつ、生きていくことはできる。

●秋刀魚の味

九条のシネ・ヌーヴォは満席で、不思議な熱気に包まれていた。
客層は老若男女がごちゃまぜで、案外一人で来ている人が多い。

映画が始まると、笠智衆が画面に登場しただけで
「わぁっ!」と、若い女の子らの歓声があがった。

どんなシーンもウケるウケる。
東野英治郎の酔っ払い演技なんか、ウケまくり。

なんて暖かい客席なんだ、と思いつつ
結局冬のソナタとか、ちゅらさんとか
家族が出てきて、みんな基本的には善人で
やっぱりそういうものが今求められているのかなー
などと、分析じみたことを考えたりした。

現実は「華氏911」だから。
どうにもならないし、考えると辛いから。
ファンタジーか、昔懐かしい家族の食卓が必要なのか。

それにしても、ほぼ全編、
バックに音楽が流れているのが不思議だった。

●雨月物語

観終わった後に、
「ああ、これは昔テレビで観たな」と思った。
思ったけど、映画館で観てやっぱりよかった。

大画面と、音響効果で、
細かい部分の上手さがとてもよく分かる。
そして、分かるほどに気持ちいい。

CGとか使わなくても
演出のアイデア次第でいいものはできる。
・・・なんてことを、再確認させてくれる映画だった。

2004/09/12(日) 華氏911
●華氏911

ついに観てしまった。
沢山客が入っていた。

もしまだ観ていない人がいたら
あるいはもう見てしまった人も
とりあえずまずは「ボーリングフォーコロンバイン」
を観てから、「華氏911」へと進むことをお薦めする。

というのも、「ボーリング・・・」の楽しさ、笑い、爽快感、
とにかくああいう感じを期待して行ったわけだけど、
作品のトーンはかなり違ってしまっているのだ。

そして、その理由ははっきりしている。
2つの作品の違いは、大きく2つある。

まず1点は、敵が巨大すぎるということ。
ブッシュは余裕である。巨大な金と権力を握っているから。

若い時から人の下で働いたことの無いブッシュは
父親が大統領になると「これでコネは使い放題だ」
と堂々とのたまうし(ベトナム行き逃れもするし)、
自分が大統領になってからは、金持ちたちを集めて
「私はあなた方エリートのために働く」と宣言する。

自分が石油で儲けるために
悪気無く貧乏人を集めた兵隊でイラクを攻撃し
悪気無く誤爆を繰り返して民間人を大量に殺戮する。
悪気無く金のことしか、儲けることしか考えていない。

開き直っているというより、とにかく全然悪気が無い。
そこが恐ろしい。そして多くのアメリカ人が
そのブッシュを支持しているということが。

2点目は、明るいビジョンが無いということ。

「ボーリング・・・」の場合は
アメリカより銃保有率が高いのに、どの家も鍵をかけず
全然銃犯罪が起こらない国=カナダが登場した。

主にマスコミが他者に対する恐怖を煽るアメリカと違って
他者に対する恐怖を持ち合わせないカナダの人々の
のんびりした日常を紹介することで、
「こうなったらいいのに」という
一つのビジョンが示された。

しかし、残念ながら
「華氏911」では、そういうビジョンは現れない。
多分、現時点では提示できなかったのだと思う。

だから、驚きの情報を集めた「華氏911」は
確かに必見なのだが、思ったほど笑えない。
笑えないけど、怖いけど、でもやっぱり必見である。

2004/09/11(土) ラブリーリタ/ハリーポッター/スチームボーイ
●ラブリーリタ

カンヌ・グランプリの「ピアニスト」のハネケ監督に
影響を受けたという女性監督の作品。
これは掘り出し物だった。

「とにかく主演女優が始終不機嫌なのが凄い!」と
どこかに書いていたのを見て足を運んだんだけど、
確かに、主人公の女子高生は毎日父親から
「また不機嫌顔か!」と怒られている。

この、何を考えているか分からない表情が気になる!
しかも、無表情のまま時々猛烈な無軌道ぶりを発揮!

そしてラスト10分の、怒涛の、驚愕の展開。
まさに、この映画は「地獄の季節」そのものだ。

●ハリーポッター

1作目と2作目は、「ホームアローン」の
クリス・コロンバスが監督だったから期待度ゼロだった。

しかし、この3作目は名作「天国の口、終わりの楽園」の
監督が担当するというので、どういう流れでそんな
マイナーな監督に代わったのかは不思議だったが、
ちょっと期待してみた。

で、やっぱり3作の中では一番面白かった。
久し振りのゲイリーオールドマンも良かったし
ハリーが時々イヤな奴に見える描写も楽しかった。

そしてなにより後半の
伏線が生きてくる巧みな展開の中に、
映画の楽しさが詰まっていた。
そして、ハリーが父母を求める気持ちを乗り越えて
一人で運命に立ち向かっていく心の変化が
その展開と一致していて気持ちよかった。

監督が代われば変わるものだな、と思った。

あと、ハーマイオニーのピンクのパーカーが
商品化されていた!確かに、今回の衣装ベスト1!

●スチームボーイ

「アキラ」以来の、大友克洋久し振りの長編作品。

はっきり言って、物語が単調すぎて
映画としてはそれほどでもない。

ただ、後半に向かうにつれ「スチーム城」がどんどん
制御が効かなくなって暴走して巨大化していく様は
はっきり言って昔の「アキラ」と全く変わらず、
超能力と機械の違い以外全く同じと言ってもいい位で
本当に大友克洋という人は、こういう展開が大好き
なんだなあと、妙に感心してしまった次第。

2004/09/10(金) 茶の味
「ステップイントゥザリキッド」の中では、
独特の時間が流れている。
波の音と、陽気な音楽。

映画の後半で、
少しその部分に触れたやりとりが出てくる。
「サーファーは怠け者」という悪意ある視線に
悩まされることが多い、という発言が相次ぐ。

どうやら世の中には
忙しくしている人間こそが正しい、
社会を支えている、と信じている人がいるらしい。

大傑作「茶の味」の話をしよう。

監督第1作「鮫肌男と桃尻女」は、
キャスティングが良かったおかげで面白い映画になった。
第2作「PARTY7」は凡打。別に観なくてもいい。
そして、第3作「茶の味」である。

この監督の中に、こんな世界があったとは。
まさに、他人の脳の中を見せられてしまったような
「だから、映画は面白い」と思わせられる作品だ。

とにかく観て欲しいので、あまり解説はしないが
「ステップ・・・」のサーフィンに対して
「茶の味」に登場するのは「囲碁」である。

囲碁!
シンクロやジャズなら映画になるが
囲碁とはどういうことだ?地味すぎるし!

ところで、囲碁をするものは怠け者、だろうか?

なんだかやたら喋ったり
手を動かしたりしていることが
つまりは「忙しそうにしていること」が
働いていることなのだというのはどうなんだ?

囲碁をやっている時
時々手を動かすだけで
ほとんど働いているようには見えない。

例えばSEが
プログラムを検証している時
時々キーを叩くだけで、
ほとんど画面を見ているだけである。

しかし、頭の中には巨大な地図が、
この地上とは違うもう一つの世界の
未来予想図ともいえる地図が広がっている。

その、架空のもう一つの世界を旅しながら
地図を修正し、書き加えていく作業。
それを、怠けていると言えるだろうか?

本当に世の中には、
自分の分からないフォーマットに出会うと
非難したり拒否反応を起こす人が多い。

分からないままにしといたほうが
ラクだから、なのだとは思うが。

手仕事は大事だ。
手を使って何かを作ることが
新たな思考に繋がっていく瞬間が、確かにある。

ただ、いろんなことが機械化されていけば
機械的に手を動かしたりする必要はなくなり
黙って考える仕事がもっと重要になるはずだ。

別に机に向かう必要は無いし
眉間にシワ寄せる必要も無い。

「茶の味」の舞台になっているような
田舎の、日本家屋の、縁側で
ぼーっと雲を眺めながら。

どうでもいいことを、大切なことを
昔のことを、これからのことを
世界のことを、自分のことを
サーフィンや囲碁のことを。

2004/09/09(木) ステップイントゥザリキッド
このところ、映画ばかり観ていた。
印象に残ったものについて、書く。

まずは、
「ステップイントゥザリキッド」と
「茶の味」を同じ日に続けて観た。

映画館で観て良かった!
気持ち良かった!

「ステップ・・・」は
サーフィンのドキュメンタリー映画である。

オープニングで画面いっぱいに波の映像が
スローモーションで流れる中、
小さくテロップが出る。

「NO CG ・・・」
「NO STANTS ・・・」

おお!カッコいい!

別にサーフィンはやらないが
サーフィン映画は大好きだ。
そういう人は結構いる。

映画は、世界各地の
色んなサーファーを紹介していく。

親子でサーファーとか
10年以上必ず毎日波に乗るおじさんとか
女性プロサーファーとか
車椅子サーファーとか
地元の子どもにサーフィンを教える兄弟とか
子どもサーファーとか

色んなタイプのサーファーが出てきて
彼らのかっこよさだけじゃなく
抱えてる問題や悩みなんかも
きちんと取り上げていて面白い。

一番印象に残ったのは「無冠の王者」

現在の世界チャンピオンから
「僕の次にはあいつの時代が来る」
と賞賛を贈られている若手の天才。

実際そのサーフィンを見ると
それまで画面に映っていた
どのサーファーとも違う。
一段別の次元に上ってしまったような
超絶技巧とも思える波乗りを
やすやすとこなしてしまう。

僕の隣に並んで座っていた
サーファーらしき4人組が
息を呑んで固まってしまったのが分かるくらい
凄まじいテクニックの連続だった。

なのに「無冠」。何故か?
現在のチャンピオンが言うには
「審査員が彼のサーフィンを理解できない」
のが理由だそうだ。新しすぎて。

そういうことは
どこの世界でもあるものだな、と思った。

自分の理解できるフォーマットから外れたものは
評価できない。評価しない。
まあ、それは当然だから仕方ないとして
問題はそういう人たちの意見が力を持ってしまう
ということだ。

大体が審査員というのは現役を退いた人だ。
現役を退いた人は、審査員とか講師とかになる。
講師として、歴史とか基礎技術とかを語るのは
それはまったく問題ないことだと思う。

だけど、審査員は別だ。
自分が現役として作れなくなった新しいものを
発見して正当に評価していかなければならない。

その能力が自分にあるのか?ということは
常に疑ってかからなければならないと思う。

作り手が自分が作るものに対して
「これでいいのか?」とギリギリまで悩む、
そのヒリヒリした感覚のほんの一部でも
審査する側も抱えていて欲しいものだ。

長くなったので、
大傑作「茶の味」については明日。

2004/09/06(月) 揺れた!!
足下が揺れた。
身体が危険を察知する。

ヨコ揺れだけで治まってくれ、と祈る。
タテ揺れが来たら、破壊と死が訪れる。

近いうちに、
神戸に住む人間が体験したことを
さらに広範囲の人々が体験するのだろうか。

あれから、
いつまでも続く平穏な人生
というものを信じきれなくなった。

もちろん、
人生何があるかは分からないけれど
分からない分からないと四六時中感じながら
生きていくのは相当に疲れるので、
適当に忘却して
とりあえず平穏に続くものとして
一応そう信じておいて日々を過ごしている。

けれど、震災以降
いつの間にか平穏な日常が戻ってきたけれど
バス停で夕焼けを眺めている時、
夜中に本のページを閉じた時、
そんなふとした瞬間に
明日死ぬかもしれない、というつぶやきが
自分の中から聞こえてきてしまう。

色んなことが
明日も地震は起こらない
という前提で進んでいる。

けれど、それは常に半分嘘なのだ。

明日、地震は起こるかもしれない。
明日、死ぬかもしれない。

だから刹那的に生きる、のではなく
自分が本当にやりたいことを知り、
それを実現するには具体的に何をどう
変えていくべきかを冷静に考える。

そうすると逆に、まだまだ
死なない気がしてくるから、不思議だ。

2004/09/03(金) 花火を見に行くB
以前はよく
PL花火を見に行った。

教団の人に知り合いがいて
敷地内に入れてもらって
真下から巨大な花火を見た。

入り口では「お帰りなさい」
と迎えられ、帰るときには
「ご苦労様」と送られた。

知らない人が多いと思うけど
花火が上る前には
おごそかにみんなで唄を歌う。

ここは聖地なんだと、
不思議な気分で
その唄を聴いていた。

花火巡礼が終わり、今年も夏が終る。

9月絵日記の続き


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