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2004/09/12(日)
華氏911
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●華氏911
ついに観てしまった。 沢山客が入っていた。
もしまだ観ていない人がいたら あるいはもう見てしまった人も とりあえずまずは「ボーリングフォーコロンバイン」 を観てから、「華氏911」へと進むことをお薦めする。
というのも、「ボーリング・・・」の楽しさ、笑い、爽快感、 とにかくああいう感じを期待して行ったわけだけど、 作品のトーンはかなり違ってしまっているのだ。
そして、その理由ははっきりしている。 2つの作品の違いは、大きく2つある。
まず1点は、敵が巨大すぎるということ。 ブッシュは余裕である。巨大な金と権力を握っているから。
若い時から人の下で働いたことの無いブッシュは 父親が大統領になると「これでコネは使い放題だ」 と堂々とのたまうし(ベトナム行き逃れもするし)、 自分が大統領になってからは、金持ちたちを集めて 「私はあなた方エリートのために働く」と宣言する。
自分が石油で儲けるために 悪気無く貧乏人を集めた兵隊でイラクを攻撃し 悪気無く誤爆を繰り返して民間人を大量に殺戮する。 悪気無く金のことしか、儲けることしか考えていない。
開き直っているというより、とにかく全然悪気が無い。 そこが恐ろしい。そして多くのアメリカ人が そのブッシュを支持しているということが。
2点目は、明るいビジョンが無いということ。
「ボーリング・・・」の場合は アメリカより銃保有率が高いのに、どの家も鍵をかけず 全然銃犯罪が起こらない国=カナダが登場した。
主にマスコミが他者に対する恐怖を煽るアメリカと違って 他者に対する恐怖を持ち合わせないカナダの人々の のんびりした日常を紹介することで、 「こうなったらいいのに」という 一つのビジョンが示された。
しかし、残念ながら 「華氏911」では、そういうビジョンは現れない。 多分、現時点では提示できなかったのだと思う。
だから、驚きの情報を集めた「華氏911」は 確かに必見なのだが、思ったほど笑えない。 笑えないけど、怖いけど、でもやっぱり必見である。
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