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最新の絵日記ダイジェスト
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2005/10/09(日) 旅の途中、夢の途中。
>人が1日で読む本に3日かかる。
>数学はまったくダメ。
>ほとんどの運動がダメ。

>ただし、映画となると目の色が変わり、
>のどを鳴らしてじゃれる猫そっくり。
>映画の仕事で働いて、その映画の会社から
>爪(つめ)のアカほどの給料をもらえればいい、
>と中学生のころから覚悟した。

>1日2食覚悟。妻も子も持たぬこと覚悟。
>ただもう映画だけにしがみつこう。  
>88歳で、なお現役。1日1本の映画を見る。
>見逃すと、宿題をさぼったみたいに後悔する。

>1日が過ぎれば、手帳の1日に赤線を引く。
>1日生きた、と。

・・・以上は、
淀川長治さんについて書かれた文章の一節です。

最近何故か、岡本太郎とか、淀川長治とか
今はもういない昔の人が、妙に懐かしくて。

あれだけの才能があった岡本太郎さんが
テレビとかではわざと変な顔をして見せたり
淀川さんも日曜洋画劇場の時には、
「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」と
お茶の間向けにキャラ立ちさせてみたり。

昔はよかったなどとは言いたくないけれど
あの人たちにまた会いたい、と思ってしまいます。

そんな時、上記の文章を発見しました。
そして、このWEB日記を書きながら、
なんだかずいぶん昔から一日に一つは新しく
何かを見たり聴いたりせずにはいられない
そんな自分の性分に改めて思い至りました。

手帳に赤線を引くわけではないけれど
今日一日、何も無かったと思いながら
眠りにつくことがなかなかできなくて
ついつい本や雑誌をパラパラめくったり
ラジオに耳を傾けたりして夜更かしする。

いつからか見るものの中に演劇が加わって
自分が何かを作っている時間も含めて
映画館や劇場やCDショップの試聴ブースで
今夜もまた、旅は続いていきます。

映画「メゾン・ド・ヒミコ」の中で
オダギリジョー演じる美しいゲイの青年が
死の床にいる恋人の命が、大切なものが、
少しずつ消えてゆくのを見つめながら

「欲望なんだよ。
 欲望を無くしたらおしまいなんだ。
 もう生きていたくなくなるんだよ。
 俺は、欲望が欲しいんだよ。」

・・・多少台詞は違うかもしれませんが
そんな意味のことを言います。

死ぬまで毎日必ず1本は映画を見たい。
例えば、そんな欲望を持ち続けること。
あるいは、誰かと心がつながっていたい。
そんな実感を持ち続けていたいと願うこと。

欲望は人それぞれ、その深さも様々ですが
欲望の対象の喪失は、やはり恐ろしいことです。
私はオダギリジョーの台詞を耳にして
本当に他人事とは思えませんでした。

旅をすること。何かを探すこと。
そして、この世の果てについて考えること。
きっと、ずっとそれらをやめることはできないし、
やめたくないと思っている自分がいるのです。


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