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2005/11/02(水)
逆走。
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大都会の道路を逆走する人がいる。 対向車がけたたましくサイレンを鳴らして 車線変更しては走り去ってゆく。
外は寒いのに白いワイシャツ姿で 酔っ払ってるようには見えない足取りで 歩いてゆくその人の後姿が見える。
別に今死んでもそれはそれで構わないし 死ななかったとしてもそれもまた運命だろう。 実はどちらでも大して変わりはないのだと その背中が語っているような気がして。
一瞬空気が止まる。騒音も全て消えて 歩いてゆく白いシャツが揺れて、光って。
やがて全てがまた、動き始める。 何も起こらなかったかのように、喧騒は続く。 そして白い背中はまだ、歩き続けている。
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