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最新の絵日記ダイジェスト
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2005/11/19(土) カレー味のキャラメル。
株をやっている知り合いが
今年の4月から今までで
持ち株の値段が約1000万円
上昇したという。

これからまだ上がるから
もう少し待ってから売るらしい。

1000万。
世の中の流れを読んで
貯金を投資して1000万。

思えばお芝居を作るなどという行為も
世の中の流れを読むようなところが
多分にあるわけだが、こちらは全く儲からない。

多くの役者さんが、芝居をするために
映像の仕事で稼いだ金をつぎ込んでいる。

そのエネルギーを株に向けて
1000万円儲けてから芝居を作ろう
などと考える人はどこかにいないのだろうか?

ヨーロッパ企画の上田君あたりなら
もしかしたらやっているかも知れない。

それにしても、そんなに景気は良くなっているのか?
本当に、不況は終わりつつあるのか?
全く実感が湧かないのは何故だろう。

急に空気が冷たくなったせいだろうか。
それともガソリンが高くなってきたせいか。
株でも買ってみれば、何かが実感できるのだろうか?

2005/11/13(日) 大沢@琴日記
芝居が終わって劇場を出たところで
人相の悪い三人組に取り囲まれた。

一番小さい男は確かさっき劇場にいて
私がアンケートを書いているところを
後ろから目を細めて観察していた奴だ。

「お前が青木秀樹かぁ!」と、そいつは言った。

確かに、私は過去10年間を通じてずっと
つまらない芝居を観たらその腹いせに、
アンケートにクロムの青木さんの名前で

「セットが金属じゃない芝居なんてクソだ!」
「つまらんもうやめてしまえ死んでしまえ!」

などといった罵詈雑言を書き残すのを常としていたが
今日もそんなアンケートを書くのを見ていたこの男は、
どうやら私を青木さんだと勘違いしたらしい。

「そうだ、いかにも私が青木だ」とついつい私は言った。
ドス黒い計画やアイデアが浮かんだ時には決まって
青木と名乗る習性が染み付いてしまっていた。

南河内万歳一座の「青木さんちの奥さん」には
最後に旦那さんが帰ってきて、間男と間違われた
酒屋の男どもが全員惨殺される、という裏バージョンが
存在する。旦那さんはティム・バートンに似ているらしい。

その裏バージョンを書いたのはあんただろう!と
小劇場演劇にやけに詳しい三人組は私を問い詰めた。

「だったらどうだと言うんだね、君たち」と私は言った。

「やっぱりそうか、青木さんよぉ。
 あんた、映画を撮るらしいなぁ。
 だったらこいつらを使って、
 ワールドイズマインを映画化してくれよ!!!」

そう言って、小男は後ろの二人を指さした。

「こいつらはやるよ、虐殺するよ小市民を。
 それをライブで撮影して映画にするんだ。
 臨場感満点だぜ?どうだい?いいアイデアだろ?」
「・・・君は何をするんだい?」
「着グルミさ!大きな熊のヌイグルミを着るんだ!」

「ダメだダメだ!」と私は言った。
「熊の着グルミは、男が被っちゃダメだ!
 中からはナスターシャ・キンスキーが出てこなくちゃ!
 日本人でいいから、小雪みたいな子を連れて来てよ!」

小雪みたいな子を連れてくる条件で、
私は彼らと組むことにした。さらには、某劇場の地下にある
クロムの秘密工場で作った武器も、提供することにした。

ちなみに、クロムの舞台美術が最近金属じゃないのは
武器が売れに売れて舞台美術作ってる暇が無いからだ。

小雪みたいな子が来て、私は映画を撮ることにした。
しかし、この小雪みたいな子が予想外に面白く
大塚愛みたいな脇役の女の子をどんどん食べていくので
熊が中心の熊映画になって最後は撃ち殺されて
猟師が着ぐるみの頭を取ったら、中から小雪が出てきて
ああ撃つんじゃなかったと猟師が泣く映画になった。

ちなみに、猟師役は野田秀樹で、泣く時の声は
「あー」と抑揚をつけずに遠くへ声を届かせるように。

2005/11/06(日) ユリイカ!
再び超多忙期に突入。
思い起こせば、去年の今頃もそうだった。

眠る時間も含めて、全ての時間が
何かをやらなくてはいけない時間になって
自由に使える隙間がほとんど無い。

そんな中で、クロムに出演したりしていた。
今から思えば滅茶苦茶無謀だったし、実際
なかなか稽古に顔を出せなくて苦しかったが
本番や、小屋で過ごす年末年始は楽しかった。

初期ニュートラルの常連だった女優さんたちは、
劇団の公演が常に東京大阪で旅公演に慣れてたり
東京の事務所に入ってドラマとかに出てたりして
東京大阪を行き来する生活は話には聞いていたが、
実際に自分が体験するのは、去年が初めてだった。

滞在型で、劇場という拠点があって
舞台という仕事もありつつ、全体としては旅で。
普通の旅行と違って、何かその町に住みついたような
このままずっと住んでいたいと思ってしまうような
なんとも言えない心地よさがあって、また行きたくなる。

これが旅公演の魅力かと、実感したものだった。

ユリイカ百貨店を観に行く。
まだ東京には知られていない京都の劇団だったが
今回から、公演毎に人を集めるプロデュース形式になる。

出演者数が少なく作品の印象もコンパクトになり
まずはこういう小規模のものがやりたくて
劇団を解散したのか?と思ったりした。

主宰者の「たみお」さんはまだ若い女性らしいが
既に作品はプロ並みの手つきで作られている。
細部が素晴らしい。青木さん、深津さんに続く、
関西の第三の天才となっていって欲しいものだ。

2005/11/02(水) 逆走。
大都会の道路を逆走する人がいる。
対向車がけたたましくサイレンを鳴らして
車線変更しては走り去ってゆく。

外は寒いのに白いワイシャツ姿で
酔っ払ってるようには見えない足取りで
歩いてゆくその人の後姿が見える。

別に今死んでもそれはそれで構わないし
死ななかったとしてもそれもまた運命だろう。
実はどちらでも大して変わりはないのだと
その背中が語っているような気がして。

一瞬空気が止まる。騒音も全て消えて
歩いてゆく白いシャツが揺れて、光って。

やがて全てがまた、動き始める。
何も起こらなかったかのように、喧騒は続く。
そして白い背中はまだ、歩き続けている。


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