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2005/12/12(月) 女優・川田陽子、復活。
ニュートラルを始めた頃
私は自分が役者として掴んだ
「コントロール・オブ・アウト・オブ・コントロール」
すなわち、世阿弥が言うところの「離見の見」の極意を
メソッドの中心に据えて、それを体現できる役者を集めて
少人数・小空間において、最小限のセットと音と明かりで
ただひたすら役者の力を見せることに注力した舞台を
出現させることに心を砕いていた。

そんな時に女優・川田陽子に出会った。
彼女は、私がそれまで出会った全ての役者の中で、
最も手ごわい相手だった。

舞台を構成する要素の中で
役者こそが最も重要にして中心である。
当時、私はそう信じ始めていたのだが
彼女と出会って、それは確信に変わった。

物語もいらない、台詞もいらない。
何も起こらなくいい、ただ強度さえあれば舞台は持続する。
そこでは、役者の演技が全てを支配する。
何が起こるか分からない。まるで、人生そのもののように。

そんな演劇を目指していた僕らが一緒に芝居を作らなくなってから
それなりの時間が流れたと思う。
僕らはお互い、人生における様々な苦難に遭遇し、
悪戦苦闘してきたと思う。

そして今日、彼女に再会した。
いや、これまでも劇場で何度となく出会ってはいたが、
今日こそが再会だった。

この写真は、当時の彼女だ。
この頃の強度が、彼女の中で完全に復活した。
さらに、歳月の中で彼女の体に刻まれた様々な体験が、
さらに肥沃な演技の地平へと、彼女を運んできたようだ。

これが女優だ、と私は言いたい。
このレベルの役者が、今何人いるだろうか?
本当に久しぶりに、私は役者の演技に震えた。

くじら企画の「海のホタル」。
初日に見に来て、もっと宣伝したかった。
こんな演技は、そうそう見ることはできない。

こんな凄いものを見せてくれてありがとう。
今日はなんだか、幸せな気持ちで眠れそうだ。


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