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2005/04/01(金)
こけてもなお、私は生きる。
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(昨日の日記より続く)
子どもの頃にこけるのは 甘酸っぱい思い出にもなるだろうが 大の大人がこけてしまうと それはもう、哀愁漂う光景となる。
追いかけっこの最中にこけたまま 私は地面の冷たさを久し振りに感じていた。 右の脛と右肘で、痛みが自己主張していた。
幸い血は流れず、 打撲と内出血となった。 さらに不思議なことには、 着ていた春物のコートには一切傷も破損もなく、 体だけが傷ついていた。
新しいコートは破れると元には戻らないが 体なら1週間も食べて寝ていれば治ってしまう。 人体万歳!自己治癒力礼賛!治療費無料!
しかし、傷ついたのは体だけではなかった。 こけたまま地面の冷たさを感じているうち、 その冷たさが心を冷やしていくのが分った。
私は落ち込んでいた。 自分がこけたことに関して、確実にへこんでいた。 もはや起き上がりたくない。 そんな気持ちが、私をこけたまま 地面にうつぶせにさせ続けた。
私に追いかけられていた者が 心配して近づいてきたが うつ伏せになったままの異様な雰囲気に圧倒され ある距離からこちらに近づけないでいた。
「大丈夫?」とその者は尋ねた。 「大丈夫じゃない」と、心の中で私は答えた。
その日以来、右脛と右肘の痛みが 私の心を萎えさせ全てをどうでもよくさせ 昼飯はマクドでも何でもいいやな、というような 投げやりな気持ちで一杯にさせた。
けれど、そんな日々は長くは続かなかった。 更なる試練が、私を待ち受けていたのである。
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