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2005/05/26(木)
久しぶりの日記。
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2週間ぶりに、日記を書いている。
暴力的に忙しかった4月を経て 時間が化学変化を起こしていくような、 めくるめく感覚に包まれた5月が スピッツの曲とともに目の前を過ぎてゆく。
年下の女の子と知り合いになる。 20歳そこそこなのに、落ち着いている。 一見、女優の小雪さんのように すらりとして、おとなしげなのだけれど 実はやたらとよく喋る。
この、喋りの技術がすごい。 空気を読む才能があるというか 初めて喋った相手ともすぐに仲良くなる。 漫才のようにも聴こえる語り口と クールな外見のアンバランスが面白い。
ところで、彼女の家にはテレビが無い。 パソコンも無いし、新聞も取っていない。 もちろんビデオなど見ることも無く そもそも映画をあまり見ないという。
・・・皇族ですか? と訊きたくなるけど、口調は漫才風だ。
映画三昧の僕には信じられない環境である。 それでは一体全体彼女の家には何があって 何をして過ごしているというのだろうか? いや、そもそも何が楽しくて生きているのか?
そういう疑問をオブラートに包んで 投げかけてみたところ、返ってきた答はこうだ。
「旅です。」
旅だ。 ちなみに、この日記のタイトルは 「大沢@旅日記」だ。 だけどしばらく、旅のことを忘れていた。
彼女は、思い立ったら旅に出るという。 電車に飛び乗って、それからどこで降りるかを決めて どこに泊まるか決まったら、携帯サイトで宿を調べる。 思いつきで行き先を変更し、気に入ったら連泊する。
そんな旅行が趣味だという。 行った先ですぐ、誰かと仲良くなる。 そして色々な話をする。それが楽しいという。
そんな話を聞いて、すべてが腑に落ちた。 テレビもパソコンも新聞も必要無いわけだ。 そして、そんな旅をする自由を持たない人々のために テレビやパソコンや新聞が存在するのではないかと思うと すべてをぶち壊して旅に出ようかとも思ったが そんな必要はないということに気がついた。
JRが不通のため、阪急に乗る。 車内の感じが違うせいか、乗っている人たちまで 何かが違って見える。すべての人が面白い。 なぜ人間はこんなに面白いのかと思う。 毎日見ていても飽きない。 毎日同じ電車に乗っても、毎日が新鮮だ。 時間が化学変化を起こしている。
すべての人が旅をしている。 乗っていた電車が突然脱線するかもしれない日常。 そんな日常の中で、誰もが叫びだしもせずに 列車のシートに腰掛けている。 眠っている者さえいる。どんな夢を見ているのか?
そして、僕も眠る。夢を見る。 目が覚めると、どんな夢だったか忘れている。 忘れても悔しくない。起きていても、夢を見ている。
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