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2005/06/29(水) 堤防は洪水を待っている。
いいタイトルだ。

映画「堤防は洪水を待っている」
クロムの信国君がその演技で
主演男優賞を獲った作品。

2月頃の上映には
駆けつけることができず
やっと観る事ができた。

ところで、八嶋智人と言えば
「ココリコミラクルタイプ」や
「トリビアの泉」でおなじみの
なかなか器用な役者さんであるが。

この人がリスペクトする相手として
元ブルーハーツ・現ハイロウズの
甲本ヒロト氏について熱く語っている
新聞記事を読んだ。

人前に立つときの覚悟
というキーワードが使われていた。
甲本ヒロトは、そこが凄いと。
確かに、彼のテンションは凄い。

舞台役者ならば
観客の前に立つときの覚悟
映画俳優ならば、
カメラの前に立つときの覚悟
ということになるだろう。

映画「堤防は洪水を待っている」
の信国君は、そこが違った。
よくある自主映画の演技ではなく
既に何かが始まってしまっていることが
彼の演技を通して伝わってきた。

アフタートークで彼は
「最近役作りがよく分からない」
と漏らしていたが、
役作りがよく分かる人などいないし
そういうことを言う人は信用できない。

よく分からなくて当然だ。
最後まで色々悩み、逡巡する。
どうやればベストか分からないまま
しかし、いざカメラの前に立つと
そんな部分は微塵も見えなくなる。

その演技は確信に満ちて、迷いが無い。
実際は迷っているはずなのに
カメラが回ると同時に、何かが変わるのだ。

自主映画に多いのは、迷いの残る演技だ。
それがカメラに写ってしまう。
信国君の、キャラクターそのものには
不安定要素を残したまま
確信に満ちた演技をする姿に
頼もしさを覚えた。

たぶんそんなあたりが
受賞につながったんじゃないかと思う。

あと、アフタートークの中で
監督はオーディションの時
役者に「何もしないでください」
という注文を出したという。

この、何もしないというのも
一つの覚悟だ。
頭で考えずに、体に任せる。
ニュートラルでもよく
「なにもしない」エチュードをやるが、
本当にそれができる役者は、案外少ない。

信国君の相手役の
キリンバズウカの服部まひろさんは
本当に何もしなかったという。
佇まいだけで勝負できるということ。
これがとても大事なのだ。

この映画では、
まひろさんも凄く頑張っている。
ほぼ2人芝居なので
2人の間のテンションで映画は進んでいく。

映画はやっぱり、
細かい表情とか見せることができて
いいなあ、と思う。


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