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2005/07/16(土) 私は演出家ではない。
数日前のこの日記の
信国君の写真を真似している
青木さんである。

ところで最近青木さんは演出家を廃業し
作・お願い、と名乗っている。
お願い?・・・そんな仕事あったっけ?

詳しくはよく分からないが
想像するに多分それはこういうことである。

青木さんはまず、作家として台本を書く。
当て書きなので、誰がどの役をするかは決まってて、
頭の中で役者達に演技させながら、書き進めていく。

出来上がった台本を役者に渡す。
役者は台本を読み台詞を覚えて動き始める。
その演技が、作家としての青木さんの頭の中にあった
イメージよりも面白ければ、もはや演出はいらない。

ところが、なかなかそうはいかない。
青木さんは役者としても天才なので、
その青木さんの頭の中で動く役者達に
現実の役者はなかなか勝つことができない。

となると、演出家としての青木さんの作業は
作家としての自分がつくった役者達の演技に
現実の役者達を近づけていくことになってしまう。

正直、それではぜんぜん面白くない。
全てが自分の頭の中で完結してしまっていて
それなら青木さんが一人で台本朗読したほうが
面白いのでは?ということにさえなってしまう。

役者達は、青木さんの頭の中にあるイメージを
超えなければならない。超えるというか
全く違うベクトルのものを持ってくる必要がある。

新しいイメージは、台本の中には無い。
それは、役者の体内にある。
役について考え続ける集中力と
稽古場における瞬発力の中にある。

青木さんは、待っている。
役者の中から、新しいイメージが生まれるのを。
だから、「お願い」する。
「なんか面白いことやってくれよ〜」と、頼む。
役者はそれに応えなければならない。

お願い、と軽く言われたとしても、
役者にとってそれは、ナイフのような言葉である。
君には何ができるの?と言われているに等しい。

あるシーンをやる。
青木さんが止める。
「お願い!」と頼む。
それは、今やったことが面白くなかった、
ということでもある。

陽気な声で、
「じゃあもう一度やるから、お願い!」と
お茶目に頼む青木さんの目の奥には、
この写真のように怖い顔の青木さんがいる。

けれど、この怖い青木さんに萎縮していては
役者の負けである。
この怖い顔を笑わせてしまうほどの
猛烈な「ふざけ」や「遊び」を
今日も青木さんは待っているのである。


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