|
2005/08/09(火)
ク・ナウカは凄い!
|
|
|
伊丹のアイホールで観た舞台の中で ベスト3を挙げるとするなら、 宮城聰氏の一人芝居であるところの ミヤギサトシショー「小説伝」は 必ず入ってくるだろう。
天才役者・宮城聰氏が主宰する集団 ク・ナウカの芝居が恐らく西日本で 初めて上演され、やっと目撃した。
宮城氏本人は演出に専念しており 出演していないのであるが その舞台を見た印象は、 「ここにミヤギサトシがいる!」 であった。
ミヤギサトシショーの衝撃が まざまざと蘇ってきた。
語りと動きを分ける‘二人一役’の手法 つまり、一つの役について、台詞を語る 人と動く人の2人で演じる、という独特 のスタイルを追求してきたク・ナウカ。
さらにはそれにパーカッションの生演奏 が加わり、舞台設定・衣装・美術も アジアンテイスト満載で、祝祭的である。
様式的な美しさと、例えば心情と動きの 齟齬を見せるという、このスタイルで なければ不可能な実験性が並存していて なんともいえない興奮状態のまま 舞台に目がずっと釘付けになった。
演目の「王女メディア」は、日本では 蜷川幸雄による舞台を観たことがあるが ク・ナウカのほうかはるかに衝撃的で 面白かった。
維新派にしても、少年王者館にしても 独自の様式を追求しているところは 本当に頼もしい。 観るたび新しい気持ちになる。
ク・ナウカも、 僕の中ではそんな劇団の一つになった。 もっと頻繁に関西で上演して欲しい。
東大の先輩である野田秀樹と自分を比べて 「僕は野田さんみたいに体力ありませんから」と 絶対1日1ステージしかやらなかった ミヤギサトシショーもまた観たいのだけれど、 ク・ナウカの作品の中にも確かに、 天才役者・宮城聰の身体性が息づいている。
|
|
|
|