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2004/07/15(木)
辛い
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突然、ドッドッドッドッ……と音がした。
下りエスカレーターで、前に立っていた初老の紳士風男性が崩れ落ちるようにして エスカレーターの一番下まで落ちたのだ。
ボクは一瞬、何が起きたのかわからず呆然としていたが、すぐに状況を理解し その男性のところに行き抱え起こそうとしたが、比較的体格がいいのと、意識はあるが 自分でも体のコントロールを出来ない様子で、とてもボクひとりの力では抱き起こせない。 とっさに大きな声で、まわりの人に助けを求めたが、まったく反応がない。 多くの人が通り過ぎて行くのに…
とりあえず、その男性がエスカレーターと床の間に挟まれないように、できる限りの力で支え、 大きな声で叫び続ける。 ようやく、学生風の男性が力をかしてくれたので、男性を抱え上げて安全な場所に移動できた。
移動してしばらくすると、男性の状態も良くなり体も自分で動かせるようになる。 その場で座りながら少し話をしていると、その人は子供の頃から、突然いまの様に 体のコントロールが出来ない状態になると言う。 そう云う病気があるらしい…
幸いなことに、落ちたのがエスカレーターの下の方からだったので、大きなケガもない様子。 そして、もう少し話をしているうちに気分も良くなったので、このまま自力で帰ると言うが、 それも心配なので、タクシーに乗って帰ることを勧めると、その人も納得。 タクシー乗り場まで送り、別れた。
それにしても、ボクが助けを求めた時に、横を通り過ぎて行った人たちは、 どういう気持ちで、ボクの横を通り過ぎて行ったのだろうか。 あの時の状況を思い出すと、今でも気分が滅入ります。
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