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2004/10/19(火)
この日は一生忘れないと思う
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ちょっとすっきりした。でも今は放心状態…。上司の悲しそうな顔を見ることができなかった。 朝から言おう言おうと思っていても、なかなか声をかけられず、やっと決心がついたのは夕方だった。 大事なことはほとんど手紙で伝えてきた。受験、就職。親とぶつかるたびにいつも手紙を書いていた気がする。文章の方が時間をかけられる。ごまかしがきかない。そしてあとに残る。だから、きっといつも文章を選んできたのだと思う。 先輩に渡した手紙。今の自分の気持ちを素直に書いた。「続けてほしい」先輩はそう言った。俺の性格からすればそうとう決断は固いはず、そう察したのか「妥協点は見いだせないの? 例えばなにかが変われば…とか」 妥協点…。予定がたった生活をしたい。もちろん仕事をしていくうえで、自分の時間を犠牲にしなくてはならないときはある。それは重々承知しているつもりだ。でも、先の予定が不安定な生活を続けるうちに、気がつくと未来の楽しみを思い描くことができなくなっていた。 白紙の手帳。今までびっしり書き込んでいたのからすれば、持っている意味すら疑いたくなる。 極端。不器用。おそらくそうなんだろう。よい意味で一直線。ほかのなにを捨てても…。そこがあわないのだと思う。どこまでが仕事でどこまてが自分の時間? 両方が相互に作用しあうのが、この仕事のおもしろさ。でも、そのおもしろさに苦しめられてる。 賽は投げられた。いや、自分で投げたのだ。仕事だから、引継ぎなどもあってすぐにやめることはできない。でも、俺としては今月でやめたい。「少し時間が経てばなにかキッカケがつかめるかもしれない」先輩はそう言う。そうだろうか。自分のしっかりした部分を崩したくない。その無意識の思いは変わらないと思う。 性格がしっかりしすぎているんだ。きっと。昔に比べれば、いくぶんましになった。でも、それは表面上だけ。心ではそうじゃないって思ってる。 さみしい。わずか半年とはいえ、生活のほとんどの時間を過ごした場所。ここを去る日がくるなんて思いもしなかった。まだ、なにもしらない回りの人の声が身にしみる。 書いていて、ためらっていた理由がわかった気がする。悲しませたくなかったのだ。いつも場を盛り上げてくれて、熱心に妥協なく指導してくれる先輩を。仕事でこたえたかった。その思いがもうないと言えばうそになる。でも、答えは変わらない気がする…。
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