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2009/10/17(土)
続き
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キャディーバッグ刺繍の経緯に関して 一言、これは紛れもない事実であります。 ※お客様は最後まで読まないで下さい! 同業者様だけお読み下さい。
2004年12月、FAX1枚送信がありました。それから事件が始まります。 長野県I様より依頼のキャディバッグに刺繍という依頼のFAXでした。(I様のお陰でここまでがんばる事が出来ました!この場を借りてお礼を申し上げます)
もちろんキャディバッグに刺繍する事などやった事がありませんでした。今でも悔やまれて、そのお陰でここまできたのですが、 その依頼に対してお断り出来ませんでした。 今でもそーですが、何とかしてお客様のご要望に答えたい。その一心がお客様に対してとんでもないご迷惑をお掛けする事となりました。
その時には一生懸命だったんですね。 どーやって??? 刺繍する面を固定する事は理解できたんですが、刺繍機の枠移動と同じようにキャディバッグを移動しなければいけない。 不可能でした… 手で担いでぐるぐる回してみたりもしてみました。 それならと、刺繍風ワッペンを作って、アイロンでくっつければ良いんじゃないかと。 それなら刺繍した部分だけ残るので、いかにも刺繍したように見える!! あさはかでした。
とにかく一生懸命やってました(笑)
で、完成した物といえば… 最悪です(大泣)
一応刺繍したものは固定されましたが、アイロンで押さえたので、キャディバッグの所々が溶けてしまいました。 キャディバッグのほとんどが合皮かエナメル素材で出来ていますので、熱には弱いです。 考えれば分かります。いや!考えなくても分かります。
情けなくなりました。どうしようもなく。
やけになる一歩手前です。
はぁーどうしよう。。。。。。。。。。。。
で、そのまま発送しました。 (んんん−−−−)
もちろん結果はお分かりの通り…
心配したのが、同じキャディバッグが、地球上に存在しなかったら。大変なことになる!本当にあせりました。
良かったーー ありました!!! けど、福井県のH社は先日店じまいしたばかり。お隣の県の金沢まで走り、よくよく頭を下げ、事情を話し同じ物をいただきました。 H社のトーナメントバッグ4????円のお買い上げ。
I様へ何度も謝罪をし、新品を送りました。
ちなみにその事故したキャディバッグは今でも大切に私の手元に置いてあります。いつでも見せることが出来ます。大切な思い出です。仕事をして思い出作りが出来るなんて、なんてすばらしい仕事だと。??
それからドラマが始まります。 何とか元の状態にお客様の所へ戻し、ほっと溜息をついて、二度と同じ過ちはおこさないぞっ!と。 平穏な日々が数日続き、所属している釣りクラブの遠征で高知県沖ノ島へ。
他の北陸の会員と合流し、大型バスでいざ出発です! ワクワクです。 途中サービスエリアで休憩。
電話です。
長野県のI様からです。
もちろん出ます。
「先日は大変申し訳ありませんでした」「ご迷惑お掛けしました」
と、とりあえず電話をしながら頭を下げました。
そのあとのI様の言葉で武者振るいが止まりませんでした。
「何とかして、直接刺繍していただけませんか?」
「NSKさんの刺繍の仕上りと、書体が大変気にいってます」
「お金はいくら掛かっても構いません」
正直、返す言葉が見つからず、しばらく沈黙してしまいました。
どーして?なんで?やっと終わったと思っていたのに!NSKは最悪の刺繍屋ではないのか? 私なら、こんな刺繍屋に絶対に連絡しないし、不安で二度と頼まないし。
I様の方から続きます。 「時間はいくら掛かっても構いません!今まで使っているキャディーバッグを使いますし」
ここでもつくづく自分は馬鹿だと思いました。
「分かりました。ハイ!何とかがんばってみます!!!」
楽しいはずの釣り遠征のバスの中で、独り寝た振りして どーーーーしよーーー 皆とは適当に話して、どーしよう。どーしよう。
釣りも宴会もそこそこ楽しんで、メーター級のヒラマサなんぞ掛けてばらして、本命釣れず。 無事福井まで戻り、さて。
無残な姿のキャディーバッグを持って、仲良しの鉄工所のMおんちゃんに相談。行くともう一人職人さんが。
昔の人は良く言ったもので、3人寄れば
出ました!!! 文殊の知恵。
今のマシーンの原型です。
もちろん最初からうまくいくはずがありませんが、私の神の手も 手伝って、何とか直接刺繍が出来ました。
次失敗したら… 息も出来ないプレッシャーです。究極です。
キャディバッグ直刺繍第一号の完成です。
この達成感は何とも言えません!!!
後で聞いたのですが、I様は全国ネットで片っ端に検索し問合せたみたいですが、1件もやってくれる業者様がいなかったみたいです。
くだらない文章で長々と書きましたが、何が言いたいか。 1件の、1枚のオーダーでも、全力で対応する事が出来るかどーか。手間暇利益先行では、出来にくいお仕事です。ましてやリスクが伴う仕事なら。
私の事でいうなら、大赤字、いや大損です。 本当なら、悔しさだけ残って、後には何も残らなかったはず。 が、そのキャディーバッグ刺繍専用マシーンを持って展示会に出展し、製造・販売元のメーカーになります。
こんなアホーな私を同業者として付き合ってくださる業者様、 本当にありがとうございます。 これからも宜しくお願い致します。 くうぁーーーやるぞーーーーーーーーーーー
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