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2006/11/29(水)
第1話:はじまり
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「それでは、出席番号順に席に着いて下さい!」
それは数年前のある昼下がり☆ エの目は、入学してから2、3回目にあたるパソコンの授業を受けていた。2限目の授業なので、とても腹が減って、パソコンどころではなかった。最初は自由だった席がいつのまにか決められ、しかも出席番号順という一番タチの悪いパターン☆ 唯一の救いは、隣りの席が、入学当初から、クラスの中ではちょっとカワイイと評判のある子だったことだ。 …がっ、しかし!エの目にだけは、どうしてもそれが分からなかったのだ。実は当初からエの目は、その子がカワイイとクラスの男子の間で話題になる度に、全力で否定してきたのだった。そんなことがあってか、隣りがその子だと分かった途端、何ともやりきれない思いになるのだった。 「エの目君ッ」 そんな思いでいると、早速話しかけられ、エの目はあわてて気を取り直して答えるのだった。「よく考えてみれば、よ〜く顔を見たワケではなかったし、そんなんで否定しちゃいけなかったな…。」エの目は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。そして、話しを続けた!何だ、とってもいい子じゃないか!明るくてよくしゃべる子で、、、話しを続けるウチに………。
……?ん? しかし、エの目はすぐにまたやりきれない思いにとらわれた。およそ机がくっついてる程度の距離で話しをしているうちに、だんだんその子の顔のいたる所が見えてくる…。すると…! 良く見れば見るほど!!近くで見れば見るほどに!!やはりエの目には、その子の顔がサルに見えて見えて仕方がなかったのだ!! エの目は自分を責めた。責めて責めて責め抜いた。何て酷いんだ自分!何て最低だ自分!!同時に、「もしかして、よく見れば実はカワイイのかも☆そしたらこの先…☆★☆★」などと、密やかな考えが打ち砕かれたのだった!
すっかり落ち込んだエの目は、遠い目でこの先のことを見つめた。
このつまらない授業は早く終わらないものか、同時にそれは、この授業だけでなく、この学校生活すべてに対する思いでもあった … そんなことを考えつつ、不意にエの目は後ろを振り返った…゜
……瞬間、エの目は少し不思議な感じに陥った……。この授業では、2人のパートナーが普通だったからだ。ましてや、前の席とだいぶ離れた後ろの方の席に人が座っていようとは思わなかったのだ。
髪の少し長いスラッとした女の子と目が合った瞬間だった……。
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![](/user/oyuking/img/2006_11/29.jpg) |
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