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2006/08/10(木)
今月もガンガンいきます!
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●『UFO大通り』島田荘司 8月31日発売 人気探偵・御手洗潔シリーズ、最新作! UFO遭遇を語るおばあちゃんの不思 議な話は本当なのか? 御手洗と人気を二分する石岡クンも活躍。もう一件は、 死体が動いた謎を御手洗が鮮やかに解く。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★.☆こんな処に隠し部屋◆ @名探偵・御手洗潔久々の登場! ☆.★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5月発売の『帝都衛星軌道』は皆様にご支持いただき、7月現在で3刷まで増刷 いたしました。この場をお借りして御礼申し上げます。 さて、島田荘司さんの新作を早くもお届けできることとなりました。 島田作品と言えば欠かせない超有名キャラクターの名探偵・御手洗潔が講談社ハ ードカバー版では久々の登場です。タイトルにもなっている「UFO大通り」と いう作品と「傘を折る女」の中編2作を収録しております。 『UFO大通り』では鎌倉が舞台、「なぜ、鎌倉にUFO?」この不思議な取り 合わせがまた島田作品の魅力のひとつなんです。「傘を折る女」は、傘が物語の 重要なアイテム。読後には、感嘆のため息しかでません……。 そこで今回はロスアンジェルスにお住まいの島田さんから緊急にコメントを頂戴 いたしました! 今作品に対する著者の意気込みを読者の皆様にお感じいただけ ればと存じます。
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街の狭い路地裏にまで入り込んで走る市電が何故か好きで、都電荒川線、リスボ ンの市電など、ぼくは自作によく路面電車を登場させています。 江ノ電は特に、ぼくにとっては長くミステリー記号で、江ノ島に立つ鉄塔も、鎌 倉も、極楽寺もそうです。こういうものは作品にしています。 何故なのか、コウモリ傘もまた、ぼくにとってはミステリー記号なんですね。世 界を構成するあらゆる事物を、ミステリーの記号と、そうでないものとに分類す る癖が、以前にはありました。 何をもってミステリーの記号とするのかと問われるなら、これはもう説明不能で、 直感といえばまあそういうことなのですが、この直感はたいがい当たって、この 用語を脳裏でいじっていると、たいていミステリー作品を導き出してくれるわけ です。まあつまりは、作品化の「引き金」となるか否か、そういうことなんでし ょう、ミステリー記号とは。つまりはこの「引き金」の別名なんだと思う。 ただ、もっと散文的に理由説明ができるものもあって、江ノ島の鉄塔は、戦時中 は落下傘部隊の訓練塔で、もとは二子玉川にあった、そういうことを岡嶋二人さ んの徳山さんに聞いたことがあります。拙作『占星術殺人事件』に登場する二子 玉川の家は、あれはわが家に違いない。何故なら、昭和11年に二子玉川のあの あたりに建っている一軒家というと、わが家しかなかったから、という話の後に 聞いた話です。これはま、ミステリーの記号になるでしょうね。 鎌倉、江ノ電、極楽寺というグループの場合、これは今思うに、故鮎川哲也先生 との付き合いの影響がありそうで、晩年の先生との付き合いで、これらの場所を 何度かご一緒に散策させてもらった。江ノ電などは特に、これを用いて共作をや りますか、などという冗談話にまでなって、やらなかったのは今も悔やまれてい ます。だからこれは、先生が亡くなったあと、一人でやった遺恨試合というとこ ろがある。書かないわけにはいかなかったんですね。
(島田荘司氏談)
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