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2008/03/03(月)
とじこみ帳と背中にチャックと
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その日も枕元でページを進める。一行一行が眼に流れるにもかかわらず意味が聞えないその眼は親密に行を追うのをやめなかった。そのままページが進むにつれ一行一行が次々と背景に入っていくようすに何をしていたのかと、ふと思うままにページを見渡す。これぞ無我夢中というものだと冗談めいたことを思いつきながら読んでいた本にはこんなことなど書かれていなかったと分けた、さっきまで書かれていたことを確認する気の気配をしずめる。いまのところ、いまからの行の予測を読んでいたんだなということにして切り上げる。そうして部屋の明かりを残らず消しておやすみなさいなのところだけど、寝たり覚めたりしているいつものことに立ち会えたらなと思い、語り掛かる。
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