|
2010/09/09(木)
上海人と古代人
|
|
|
夫を持つまえに、夫の出てくる夢を見たことありますか。強烈ですね。
やさしくて、黒髪で、優雅で長身で、後ろのほうにいる夫。目の前の一人だけを守り抜こうとする気迫を背にして、ようやくわたしはその人格に気づく。ときどき見せる表情が恐ろしくも、思い出すだけでいい、というようなひかえめの力強さをして、風のように現れる夫。がつりとしていて、うるっとしていて、ひらりとしたものを着て、それが歩くとなびいてしまうので、その存在にすぐ気づくようになったのに、道路を横切るとき希薄になる夫。 そして、なにも喋ったりしない。
夫だというのに、わたしたちは夫婦というわけではない。 夫だというのに、一度も会ったことのない兄が現れたようでもある。 そして、どこへも飛んでいったりしない。
わたしたち、どういう関係?
ひとつ、はっきりしていることは住処を一緒にするということ。
|
|
|