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2008/03/31(月)
夏のレプリカ
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就寝前に、読み途中だった本を読んでしまったのが失敗でした…。 毎度毎度「1時間か2時間くらい読んだら、きっぱりと本を閉じて眠ろう」と思うのですが、面白い本には勝てません。
森博嗣の「夏のレプリカ」です。 しおりが挟まっていたのは、まだ冒頭のほう。 読み始めたらやめられくなってしまい、気づいたら読み終わっていました。 時計を見る。午前4時半!
シリーズ7作目です。 前作の「幻惑の死と使途」と対になっているような作品なので、あまり間をあけずに読みたかったのですが、旅行だ仕事だと1週間ほどのブランクを作ってしまいました。
「夏のレプリカ」は、これまでの「人が殺された! 犯人は誰だ! トリックは?」というミステリー小説の基本形から、少しだけ重点が変わった作品でした。 今までは文章の裏側の作者の意図を探りながら読んでいましたが、これはそんな余裕もなく、ちゃんとストーリーにのめりこむことができました。
そして…重いっ…! 今までに読んだ森博嗣の小説の根底に流れる普遍的なテーマは、どちらかというと哲学的な感じでしたが、「夏のレプリカ」は哲学とはちがう重み。 読んでいて途中で「これはヤバイ…」と警報のようなものがチカチカ。
ラストのほうで、ずどーんときました。 深夜4時過ぎに、精神的ショック。ちょっと混乱でした。 涙が出そうで出ない。なんだか自分が責められているような。しまっていた過去の引き出しを開けられてしまいました。
おかげで、読み終わっても眠れなかったのです。 窓の外が徐々に明るくなり、猫たちが活動し始めて、うとうとした頃にはまたすぐ目が覚めてしまう。断続的に3時間少ししか眠れませんでした。
完全に森博嗣の文章に打ちのめされてしまいましたね…。 犯人やトリックが分かっても、すっきりしたという気分が味わえませんでした。 ちょっと忘れられない作品かも。
画像は、癒しのウミネコさん♪ ウミネコって瞳がコワイのに、刺繍にすると可愛いわ〜。
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