|
2009/02/14(土)
短編小説みたいなドラマ
|
|
|
残業を終えて帰宅し、NHKを見ながら夕食。 ちょうど始まったドラマを観ていたら、面白くてぐいぐい引き込まれてしまいました。今は感動で胸が熱いです。
田舎から都会へ、買い物に出てくる老夫婦と、その孫のお話。 スローテンポで淡々とした流れ。その会話や仕草のひとつひとつがリアルで、目の前でその光景を実際に見ているかのようでした。
老夫婦が乗る特急電車について「どこの駅だろうね」「あれはスペーシア?」と母と話をしているうちに、気づけばもう作品の虜でした。 老夫婦が慣れない長旅で渋谷に向かったわけは、中古カメラの展示即売会。おじいさんは昔写真を撮るのが好きだったのです。
老夫婦が都会に来るまで、そして来てからは前途多難。時にユーモラスなシーンもあったりしますが、それがすごくリアル。こういうおじいさん・おばあさんって絶対いる。 東京で一人暮らしをしている孫をも巻き込んで、老夫婦の旅が淡々と綴られています。ただ、人生の中の特別ではない出来事を、ありのままに描いただけというような、ゆったりしたストーリー展開。でも、その言葉や仕草の端々に、これまでの老夫婦の思い出や歴史がちゃんと見えてくるのです。
行間の取りかたが素晴らしい小説を読んでいるかのようでした。 最後にはもう涙が…。
お涙頂戴とか感動モノとか、悲しい話ではなく、どちらかというと笑えてしまうような展開が多いのに、この何とも言えない感動はなんなのでしょう。 小説だったら、また読み返すことはできるけれど、テレビドラマでは前に戻れません。 たった1時間ちょっとの番組なのに、年老いた夫婦のこれまでの生きてきた時間がみっちりと詰まっていました。
何となく見ていただけのドラマなのに、予想以上の素晴らしい時間を過ごせました。見終わって、番組表でタイトルを調べてみる。 「お買い物」 その潔い題名のつけ方にも、センスを感じます。
NHKのページによると、脚本は小説家でもある前田司郎氏。小説家。やっぱりそうなのか〜。こんな脚本を書く人の小説なら、きっと私好みの小説を書いているかも。
なんでもない日常がすごく大切。そのなんでもない日常を、あとからふと思い出せるような人生を送っていきたいものです。
NHKのサイト「特集ドラマ お買い物」↓ http://www.nhk.or.jp/drama/dramalist/okaimono.html 再放送したら絶対録画するよ〜!
画像は、数日前に同僚からいただいたチョコ。逆チョコ? ではないな…。ぶひ〜
ああ…思い出すだけでまだ涙が出てくる。 すごい作品でした。再放送ぜひして欲しい!
|
|
|
|