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2004/11/17(水)
LD(学習障害)
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テレビのニュースでLD(学習障害)についての特集を見た。 感情を抑える事のできない少年達の話だ。 LDの少年達は言葉をうまく使うことができなかったり、 感情を抑えられず突発的な行動をとったりしてしまう。 暴れて自分を傷付けてしまう少年もいる。
その番組を見て俺は昔の事を思い出した。
小学生4年生の頃、近所に一人の男の子がいた。 A君としよう。A君は同じ小学校の新入生。 彼は他の一年生と比べて言動や行動が違った。落ち着きがなかったし、 団体行動ができず、言葉もうまく使えず、よく叫んでいた。
担任の先生から「1年生のA君はみんなと少し違うんだけど、差別しないように」と説明があった。今思えば彼もLDだったのだろう。
家が近所の俺はA君と同じ通学班だった。A君はよく通学班の列から外れて、みんなを困らせていた。 彼は学校でもバカにされて、仲間はずれにされていた。俺自身も彼を笑っていた。今思い出して本当に胸がいたむ・・。
ある朝、登校しようと通学班の集合場所へ行った。班長は6年生の女の子だ。班の子達がみんな集まり、最後にA君が家の方からこちらにやって来た。
それを見て班長の女の子は突然走り出した。わけもわからず俺と班の子達は走って付いていった。
後ろからA君が「待ってよ!」と泣きながら追いかけてくるのも無視して、走り。A君が見えなくなってからやっと止まり、班長は俺に
「あの子と一緒に学校行くの恥ずかしい」と言ったのだ。 それから何度か、俺の通学班はA君を置いて登校した。 何の罪悪感もなく。
今思い出して本当に気分が悪くなった。A君や、その両親の気持ちを考えたらとんでもない事をしてたと思う。当時俺はA君の障害を理解できなかったし、好奇の眼で見ていた。本当に最低だと思うよ・・。
1年後、班長が卒業して、俺が通学班長になった。 俺はA君を置いていく事をせずに、朝はみんなで点呼を取り、みんなでしりとりしたり、歌いながら登校するようにした。ただ班長というポジションが面白かったからだ。
A君の母親が「俊輔君が班長になってからあの子は楽しそうに学校に行くようになった」と言ってくれたのを覚えている。
罪ほろぼしにはならないだろうけど・・。そんな事があったなあ。
親の仕事上、小さい頃から障害を持った人と関わってきたけど、 ぜんぜん理解できてないと思う。 そういう人たちの障害と感情をちゃんと理解してあげられたらなあ・・と今更ながらと思う。
A君、本当にごめんな。
俊輔。
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