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2004/11/12(金)
「舞姫」前編 ―なぜかミュージック♪アワーなのだっ!―
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宅急便をやってると、ホントにいろんな出来事がある! こんなすげえことを書いてもいいものかどうか・・・。 でも、書かずにはいられねえぞ。 えいっ!思いきって書いてしまおうっ! そして、自らが犯した罪を認め、彼女には素直に謝ろう(大げさかも!)
夕方出勤するなり、ひとつ年上の先輩がこう言った。 「おう、ゆうやっ!ちょうどよかった。今夜は人手が足りねえから、おまえ、ミュージックへ集荷に行ってくれよ」 この一言が、甘美で切ないドラマの始まりだった。
しかし、ただミュージックと言われても、ぼくにはなんのことだか、さっぱりわからない。 「ミュージックってなんっすか?」 「なに寝ぼけたこと言ってんだ」 「だって、一回も行ったことねえし・・・」 「げえー!!マジ知らねえの?」 「あ・・・はい」 「おまえ、そんなんだからガキ帝国だって言われるんだよ。しょうがねえなあ」 先輩は底意地の悪い笑顔を浮かべながら、それでも親切に地図を開いて場所を教えてくれた。
「やっぱ行ったことないっすねえ。どんな音楽がかかってんだろ?」 「さあね。行ってのお楽しみってことにしとけよ。言っとくけど、荷物はでけえし重いからな」 「へえ、そうなんですかあ?」
ミュージックの前に着くと、正面入口に案内役(呼び込み?)の男の人が立っている。 蝶ネクタイにド派手なスーツ! この人の服装を見たとき、フーゾク店だってことがわかった! ぼくの心臓はそれだけで高鳴った。 入口のジャマにならないように、少し通り過ぎてからデリバンを停める。 いざ、接近。
「宅急便です。お世話になります。お荷物の引き取りに伺いました」 「ご苦労さまです。そちらのドアからお入りください。階段を上って右側一番奥のお部屋で、エリカさんが待機していると思います」 案内役の人がにこやかにそう言う。 「えーッ!本人がいるの?なんかハズいよなあ」 と思ったけど、そういえば…荷物の引き取りと同時に運賃の集金もするわけだから、まあ仕方ねえか。
そして、歴史的瞬間! 生まれてはじめて、ぼくがフーゾク店のドアを開くっ!
ドアを開けると、いきなりの大音響。 で、聞こえてきたのは、ゴマキの「溢れちゃう...BE IN LOVE」だ。 壁ひとつ隔てた向こうの部屋で、今まさにストリップショーが行なわれている・・・。 かなりDokiDokiしながら薄暗く湿っぽい通路を歩き、突き当たりにある階段を上る。 2階の通路の両側が小さな部屋になっていて、踊り子さん(?)たちの控え室になっている。 ドアにそれぞれの名前を書いた紙が貼ってあり、その中に『サヤカ様』ってのがある! 今夜も部屋で待ってくれている“愛しのさやかちゃん”を一瞬思い出す。 そして、いかに仕事とは言えども、妖艶な世界にはじめて足を踏み入れたことに対し、罪の意識を感じる。 こうゆうところが、ぼくってホント純情だよなって思う(…自分で言ってらあ…笑)
一番奥の部屋の前に立つと、ドアが開け放たれたまんま。 「まいどお、宅急便っす」と声を掛けると・・・返事がない。 案内のオジサンは待機中だと言ってたけど、誰もいないのか? もしかして、教えてもらった部屋がちがっているのかもしれない。 そうだ、ドアに貼ってある名前を見ればわかることだ。 しかし、ドアは内側に向かって押し開けられていて、廊下にいたままじゃ見られない。 仕方なく、ぼくは部屋を覗き込んだ。 ドアには『エリカ様』の名前を書いた紙が貼ってあり、どうやら部屋はまちがいないみたい。
それにしても、ハンガーに吊り下げられているのは、ちょ〜スケスケの衣装ばっかり。 わっ!すっげえセクシーなブラやパンツがいっぱい脱ぎ散らかしてある・・・。 ふーん、あんなのを着て踊るんだ。 こりゃスケベな男どもが喜ぶわけだ。 おっと、セーラー服にナース服、スッチーの制服らしきのもあるぞ! ナース服を見て、また彼女を思い出しちまう。 「さやか、ゴメンなさい。これは仕事なわけで・・・自分の意思じゃねえんだよっ」
そのとき、ぼくは無我夢中の状態(?)にあり、背後から人影が忍び寄っていることに全く気づかなかった。
今日はここまで・・・続きはまた明日。 ひとまずバイバイなのだ。
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