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2004/12/22(水)
熱い戦い ―自主出勤編―
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朝礼で浦越所長のゲキが飛んだ。 極端な不成績に喘ぎ続けた今年を締めくくる…魂の叫びを聞けっ!
こんな営業成績じゃ、年が越せません! わかっとんか!?おまえら! 言うまいと思とったけど、あまりにも不甲斐ないけん、今日は言わせてもらうでー。 明日の天皇誕生日、「休日を返上して出勤します」と申し出るようなヤツは、だあれもおらんのか? ホントに情けないっ!
ええか!予算の7割程度の売上見込みしか立たん状態で、休んどる場合じゃないで! ワシは明日、一人だけでも出る。 主要なお客さんには、そのように案内しといてくれや・・・のうっ! 自主出勤できる人は、あとでかまんけん言うてくれ。 以上、がんばっていきましょう。
あれれ? 礼儀正しく、規則を守る・・・それが体育会系のいいところじゃなかったっけ? サービス出勤を頼むのに、そんな高圧的な言い方はないでしょ? 休日に社員を無理やり出勤させるのは、明らかに反則だよ〜。 それに、得意先もほとんど休みなんだし、あんまり意味ねえじゃん。
あ、わかったぞ。 本社の手前、ポーズだけでも「やる気」を示しておこうって魂胆だな。 自分の保身のために部下を巻き添えにするつもりなんだ・・・ズルイ男! いやだ、いやだ。 意地でも出てやんねえぞ! と思っていたら、朝礼終了後、2人の社員が浦越所長のもとへ歩み寄った。
「私は所長に言われなくても出るつもりでした」 これは、来年の合併後にはリストラ候補ナンバーワンと目されているオヤジの言葉。 コイツ、絶対ワザトラマンだ〜ッ! 「ぼくも出ましょうか?」 営業成績トップの中堅社員は、やんわりと申し出た。 あえて質問形の語尾には、好成績を理由に免除してもらえるかも知れないとゆう期待感が込められていたけど・・・。 「おう、そうしてくれ」 浦越所長にそんな繊細な采配なんてできっこねえよ(…笑)
そして、浦越所長がイスから立ち上がった。 「明日出れん者は、次の日曜日に出てくれ。ええな!」 一同、シ〜ン・・・。 この人は最初っから“そのつもり”だったんだ。 祭日と日曜とに振り分けて、全員にサービス出勤をさせるって。
ぼくは部外者だから関係ねえやと思っていたら・・・。 「ゆうやはどうするんや?ヒマなんなら出たらどうや?おまえのバイト代は払ってやるぞ」 と、倉庫で品出しをしているときに聞かれた。 「どっちも予定があって、ちょっと無理です」 午後から宅急便の仕事が入っているのはホントのことだったけど、所長は勘ちがいをしていた。
「彼女と朝から晩まで“乳繰り合う”日か?子どもができんようにせないかんで(…爆)」 ムカ〜ッ!そんなんじゃないわいっ! それに、乳繰り合う(ちちくりあう)って、一体いつの言葉? 「いやいやいや〜、そんなんじゃないです。ほかの仕事が入ってるんですよ」 ぼくは怒りを抑え、努めてさわやかに答えた。 「そうか。スマン、スマン。宅急便か?」 「はい」 こうして浦越所長は苦笑いを浮かべながら、ぼくの前から立ち去ったのである。
営業所の不成績の責任は私にあります。 日ごろの努力不足をわびる意味で、明日の祭日、私は出勤します。 しかし、ひとりでは配達に出たとき、電話の応対ができません。 そこで、大変心苦しいのですが、できれば皆さんにもご協力願いたいと思います。 いかがでしょうか?
上司からこんなふうに頼まれたら、部下は断わりづらいよ〜。 とゆうか、我も我もと自主出勤してくれるかもねっ!
おしまい。
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