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2004/12/29(水)
週刊経済誌事件「後編」
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愛嬌でごまかそう(?)としたけど、通用しない(…焦) 仕方なくホントのことを伝えることにした。 「今日になって棚の下から出てきて・・・それでちょっとでも早く届けようと、ぼくが持ってきたんです」 「なにい?棚の下から出てきただと〜。もし気づかなかったら、ずっとそのままだったのか?」 ダンナの怒りはいよいよ苛烈を極め、言わないほうがよかったかも。 「いや、そんなことはないと思うんですけど」 そんな煮えきらないぼくの態度を見て、ダンナはついに決めゼリフを言った。 「もういい!責任者を呼べ!」
「今日センター長は休みで・・・だから呼べないです」 「年末のいちばん忙しいときに責任者が休んで、部下に仕事させてるのか!」 「いやいやいや・・・ぼくはバイトだから日曜日が休みだけど、社員の人は平日に交代で休まないと休みが取れないんです」 「そうか。じゃあ、センター直通の電話番号をこれに書いてくれ」 ぼくはメモ用紙を渡され、宅急便センターの電話番号を書いた。
それからダンナは、週刊経済誌について延々と語りはじめた。 1913年に創刊された歴史あるものであり、日本に数ある経済誌の中でいちばん売れていること。 毎週日曜日に読んで情報源にしていること。 1年、2年、3年と3つの購読コースがあって、自分は3年契約の優良読者であること。 そして、大切にしている雑誌の配達をおろそかにする運送業者が許せないことも。
ぼくは「プロフの写真」のように、ただ下を向いて聞くばかりだった。 http://pr1.cgiboy.com/S/0280024/ けれども、ダンナの話があまりにもクドくて長いから、ホントのことをゆうと、途中からはどうでもよくなった。 「前髪が伸びたし、そろそろ散髪に行こうかな」 ・・・なんてことを考えていたら、前髪が目に入った。 痛いから右手をまぶたのところにやると、それが涙を拭っているように見えたらしい。 「あなた、もうそれぐらいにしてあげて!大丈夫?泣かなくてもいいのよ〜。」 と、奥さんが声を掛けてきた。
相手が勘ちがいしているなら、まあそれでもいいやってことにして・・・(笑) ぼくはいかにも悲しそうな表情をつくり、無言でうなずいた。 すると、これが効果的だったのか、ダンナの怒りが急速におさまったようだ。 「悪い、悪い。つい興奮しちゃって、ゆうやくんに申し訳ないことをしたねえ」 「そうよ。この子は宅急便の担当で、メールは関係ないんだから」 「おお、そうだったね」 そんなことを言い合いながら、夫婦で笑ってやがんの!
おいおい! それを知ってるなら、ぼくに文句なんか言うなよ!って感じだよな〜。
「今回はゆうやくんが届けてくれたから、クレームにはしないからね」 とゆうことで、一件落着。 どさくさ紛れに、ぼくは佐渡さんにひとつお願いをしておいた。 マンションの外来者用駐車スペースが狭くて、宅急便のデリバンを停める場所がないときがある。 佐渡さんが乗っているパジェロは、マンションの玄関に近いところから2番目に置いてあって、ずっと前からパジェロの前に停めさせてもらえたらいいなあ・・・と考えていたんだ。 「お願いしますっ」 帽子を取ってお願いしてみたら、いとも簡単! 「いいわよ」 やった〜OK!
「もし出かけるときにぼくのクルマがジャマになっても、5分ぐらい待ってもらったら、たいてい出てきます」 佐渡さんが出かけたいときと配達中がたまたま重なる可能性もあるわけで、こうゆうことも言っておかなくちゃ。 「いいの、いいの。心配しないで。ゆうやくんに会えるなら、5分でも10分でも待ってあげる」 これはちょっとキモいけど・・・。
「じゃあ、よろしくお願いします」 ぼくは佐渡法律事務所をあとにした。 いつものようにセクハラオバンが、いや、佐渡さんの奥さん(…と今回は書いておこう)が手を振ったので、ぼくも笑顔で手を振り返してあげた。
奥さんはこれが相当うれしかったようで、会社のコールセンターにすぐさま感謝の電話を入れてくれたようだ。 事務所に帰ると、ぼくの机の上(…といっても数人が供用している)に本部からファックスが届いていた。
前田ゆうや殿 佐渡さんとゆう女性が、あなたのさわやかで誠実な態度に大変感激し喜んでおられます。 今度お会いした際にはお礼を申し上げておくように。
とまあ、こんな内容だった。 よそ事を考えてたんですけど・・・、心の中じゃ「なんで俺が届けなきゃなんねえの?」って叫んでいたんですけど・・・。 せっかくだから、そんなことは言わねえけど、こんなのもらっていいのかよ?って感じ。
それにしても人間同士のコミュニケーションは、結果オーライとゆうか、十人十色とゆうか。 非常に奥が深いとゆうべきなんだろうね。
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