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2004/06/22(火)
人にも職業にも貴賤なし
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あっつぅい! 強烈な陽射しが脳天へ降り注ぐ。 古タイヤが発するゴムが焼けたようなにおい。 そのなかに溜まった雨水の腐ったにおい。 トラックの幌のなかに充満している「腐敗した空気」を思いっきり吸い込んでしまうと、ラリってクラクラしそうだ。 倉庫の2階も暑い。 サウナ状態だ。 ほんの数分作業をしただけで汗が噴き出し、床にしたたり落ちる。
ぼくは、なぜこんな仕事をしているんだろう。 ついそんなことを考えてしまう。
「人間に貴賤なし」 「職業に貴賤なし」 とはいうものの、自分自身のことや自分の職業を自ら賤しめる人がいる。 ぼくもそうだ。
生まれや育ちが悪い。 顔や体形が悪い。 大学を出たのに、こんな仕事をしている。 自分は、なんて不幸な人間なんだろう。 生きていることに意味がないように思える。
人さまざまだが、コンプレックスもここまでくると、前向きに生きてゆくことができなくなる。
そうかと思えば、自分を偉い人間だと信じている人がいる。 他人が自分に頭を下げるのが当然だと思っているから、意見が対立したときにも、相手が譲るものだと決めつけて、自分の意見を無理やり押し通そうとする。
「上に弱い人は、下に強い」という。 会社の上司を見ろ。 担任の先生を見ろ。 部下(生徒)に対しては偉そうなことをいうが、上司の前では必要以上にペコペコしまくる。
そして、自らを卑下する人は、自分がバカにできる人を見つけると、徹底的にその人をバカにする。 サディストのようで実はマゾヒストなのだが、そのことに気づいている人は非常に少ない。
逆境や社会からの不当な評価は、ときに人を萎縮させ、自らを卑下する結果を生む。 しかし、そこを突き抜け克服すると、威張ることも卑下することもなくなる。 「他人は他人、自分は自分なんだ」 その境地に達してこそ、はじめて「人にも職業にも貴賤なし」ということができるんじゃないか。
そう考えたら、やっぱりぼくは未熟だ。 そこまでの境地にはなかなか達することができない。
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