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2004/07/21(水)
バスルームから愛をこめて
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大学生の部屋は不在が多い…とくれば、昨日の続きかと思うだろう。 でも、今宵はちょこっとちがうお話を、再現風に。
ぼくは20キロもありそうな重い荷物を肩に担ぎ、階段を5階までのぼり、お目当ての部屋の前に立つ。 故郷の実家から女子大生の娘宛てに送られてきた荷物だ。 のぞき穴の向こうに光が見えるから、どうやら在宅中のようで、ホッとする瞬間だ。
ピンポーン! 「……」 返事がない。 ピンポーン!! 「……」 やっぱりダメだ。
コン、コン、コン! 「○○さん、宅急便です」 ノックをしても応答がない。
せっかく重たい荷物を担いであがってきたのに、なんともやるせない。 もういちどだけのつもりで、ピンポーン! 「はい」 ラッキー、返事があった。 「あっ、宅急便●●運輸のロンメルです。□□さんからお荷物です」 これにて一件落着のはずが…。 「申し訳ないのですが、明日の午前中にきていただけませんか?」 「えっー?」 ぼくは思わず不満の声を発してしまう。
すると、女子大生は恥ずかしそうに、自らがおかれた状況をたったひと言で説明する。 「あのぅ、いま入浴中なんですぅ」 とゆうことは生まれたままの姿、スッポンポン、一糸まとわぬ…。 うわあ。 純情まっすぐなぼくはドギマギしてしまう。
「あっ、はい、ゴメンなさい」 「荷物はドアの前に置いて帰りますから、お風呂からあがったら確認してください」 と、気を取り直して用件を告げる。 「そんなことできるんですか?」 「はい、お客さんがご希望するなら」 「じゃあ、そうしてください」 「はい、ありがとうございます」
ぼくは胸がドキドキして、階段を踏みはずしそうになるが、大事には至らず。 その後、その女の子とは毎週顔を合わせている。 実家からの荷物が週1ペースで届くからだ。 それだけのこと…。
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