|
2004/07/29(木)
悪い子じゃないんやけど…
|
|
|
宅急便の夜配で普通の家を訪れた。 玄関のドアが開きっ放しだし、奥の部屋からテレビの音が聞こえてくるから、在宅中なんだろうけど、チャイムを押しても返事がない。 「○○さ〜ん、宅急便ですーっ」と叫んでも応答なし。 こうゆうときぼくは、すぐ電話を入れる。 「はい、もしもし」といって老婆が出てくれた。 「宅急便です。いま玄関におるけん荷物を受け取ってください」
80歳ぐらいだろうか、腰の曲がった老婆が出てきた。 「ごめんねえ。テレビの音で全然聞こえんかったんよ」 「いいえ」 「ウチ手が不自由じゃけん、兄ちゃんのほうでサインしといて」 「あ、はい」 ぼくは野菜が詰まった重い荷物を上がり口に置き、ホントは禁止されていることだけど、老婆の代わりに伝票にサインをしようとした。
そのとき、とび職の格好をしたヤンキー兄ちゃんが仕事から帰ってきた。 金髪だし眉毛は麻呂状態(剃っていること)だし、なかなか立派な悪党ヅラで、絶対にお友だちになりたくないタイプだ。 「こんばんは」と挨拶をすれど、返事なし。 まあ、予想どおりか。 ところが、そのヤンキーが狭い玄関で乱暴に靴を脱ぐもんだから、靴が飛んできてぼくの向こうズネにマトモに当たった。 正直痛かったから、はっきり「あ痛っ」といってしまった。 「ごめん」とか「悪い」とか謝ればいいものを、ヤンキーとびは全く無視したうえ、ワザと乱暴な態度で作業服を脱ぎ飛ばしながら部屋に入っていった。
すると、老婆が恐縮し、デキの悪い孫(?)になり代わってぼくに謝ってくる。 「ホントにねえ。ごめんよ。悪い子じゃないんやけど」 「気にしてないよ」と笑顔を見せつつ、ぼくはその家を出た。
人に痛い思いをさせておいて謝ることができない者が、悪い子じゃない? とゆうことは(普通または)良い子なのか? おばあさんには申し訳ないけど、十分悪い子だぞ。 身内とか恋人にだけ優しければ、それで良い子なのか? ちがうよ! 他人を思いやることができるのが良い子だ。 まして虚弱なぼくを威嚇するとは最低だ。
この一件のせいで、なんだか後味の悪い一日になっちまったよ。 あっ、いけねー。 乱暴な言葉は慎まなければ。 健全青少年が読んでるんだから。
|
|
|