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2004/09/01(水)
小児ぜんそく青年の悲劇
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今朝起きたとき、やっぱ体がダルかったから、昼も夜も仕事はキャンセル! リーマンなら「病欠」ってゆうところだけど、仕事に出なければ一切金にならないフリーターの身分を思いやるとき、そんな高尚な言葉は使えない。 そこで、芸能人みたいでカッコ良すぎるのは承知のうえだけど、あえて「キャンセル」といわざるをえない(笑)。 で、朝から掛かり付けのヤブ医者(愛情をこめてそう呼んでいる?)のところへ行き診察してもらった。 「別に悪いところはないから“なまけ性の過労”とゆうことにしとくか。とりあえず点滴でも打つ?」 とゆうことになり、病院のベッドで約3時間、超気持ちよく熟睡…。
実は、ぼくには「小児(?)ぜんそく」の持病があって、最低月に1回は通院して薬をもらっている。 小児ぜんそくは、普通なら大人になるにしたがって治ってゆくんだけど、ぼくの場合は赤ちゃんのときからずっと続いている。 最近でこそ落ち着いているけど、少し前までずいぶん悩まされ続けてきた。 一度牙をむくと息ができなくなる怖い病気だ。 呼吸器系に重い疾患を持つ人じゃなければ、息をするとゆう運動に努力を要することはないだろう。
ぜんそく発作が始まると、気管支からゼーゼー、ヒューヒューと音がして、普通に呼吸するのが苦しくなる。 ほかの人はどうか知らないけど、ぼくの場合、発作が起きるのはたいてい2時から4時ごろだ。 睡眠途中に息苦しさで目覚めたら、ぜんそくとの格闘が始まる。 マジで全身全霊を振り絞らないと息ができないから、ふとんの上に四つん這いになり両手両足に力を入れる。 力を込めて息を吸い込むわりには吸気量はほんのわずかで、肺を満たす間もなく激しく咳こみ、貴重な空気を吐き出してしまう。 当たり前のことだけど、息をするのを諦めたら死んじまう…。 だから、ぼくは獣のような格好で、全身から汗を噴き出しながら必死で息をするんだ。 月夜の晩にはそのまま狼に変身するんじゃないか、と心配になったりもする(誇大広告!)。 そういえば、母ちゃんは発作のたびに背中をさすってくれたなあー。
ぜんそくに悪いのは埃と気温の変化で、タバコや深酒なんて当然よくない。 「このままでは寿命を縮めるぞ」 と、ヤブ医者から脅されて、去年から酒は一滴も飲まなくなった。 タバコは一度も吸ったことがない。
それはそうと、5月以降4ヶ月間ぜんそく発作が1回もない! この記録的な快挙を成し遂げた要因はなにか? 以下、口の悪いヤブ医者とのやりとり。 「ずっと調子がいいのは、仕事でストレスを感じることがないからだよ」 「やっぱりそうですか」 「サラリーマンより気楽なフリーターのほうがキミの性に合っているんだろーね。まあ、俺も気楽な開業医だから人のことはいえないけどね」 「そうですねー」 「あ、社会的地位が高い医者をバカにしたな(笑)。でもさー、体力ないんだから、もうちょっと楽な仕事したらどうだ?」 「いや、夢があるから…今はこのままでいいです」 「なら、看護婦をお嫁さんにもらって健康管理してもらうか?キミは常連さんだからけっこう人気あるみたいだぞ」 「そんなこと、今いわれても…」 「冗談だよ。じゃあ、倒れそうになったらいつでも来いよ!(横にいる看護婦さんに向かって)次の患者さん呼んでくれ」
一瞬、ぼくは明らかに邪(よこしま)なことを考えていた。 「マジかよ!どの子かな?」 せっかくドキドキしたのに、アホらしっ。 それにしても、赤ちゃんのときからの掛かり付けの医者ってのも、向こうが全部お見通しみたいで、なんかやりにくいよなー。 こっちが客なんだぞ!
とゆうことで、赤十字病院から独立したヒマ〜な開業医と、20代半ばにしていまだ小児ぜんそく患者であり続ける青年の、世にもありふれた話はおしまい。
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