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2005/01/29(土)
キミと出逢えた奇跡
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仕事から帰ってきて、マンションの集合郵便受けをのぞいてみると、キミから手紙が届いていた。 切手を貼ってないから、自分で届けてくれたんだろう。 部屋に入り急いで封を切ると、キキとララのかわいい便箋に丁寧な文字で小さな決意≠ェ綴ってあった。
◇ ◇ ◇ ◇
To ゆうやくん
先週はせっかくさやかのおうちに来てくれたのにあんなこと≠ノなって、ホントにホントにごめんなさい。 あの時ゆうやくんは怒ってないと言ってくれたけど、あとからは全然メールを返してもらえなかったし、電話にも出てもらえなかったし・・・。 絶対に嫌われたんだと思ったから、泣いてばかりいました。
だから、ゆうやくんの手紙が届いた時ちょ〜うれしかったです。 読む時にはドキドキしました。 もしかして、最後に「別れる」と書いてるんじゃないかと心配で、心配で、急いで読みました。 「ぼくと一緒に歩いてください、お願いします!」という言葉、ゆうやくんらしかったです。 感激してしばらくは涙が止まりませんでした。
いつまでもどこまでも、ゆうやくんといっしょに・・・ずっとずっと・・・歩いていきたいです。 さやかはゆうやくんのことが全部大好き! 「俺は彼氏らしいことを何もしてやれない」とよく言ってるけど、そういうことは気にしないでいいよ。 さやかはゆうやくんの顔とか仕草を見ているだけで、十分にしあわせなんだから・・・。
あと、さやかの夢のことだけど。 これを言うとゆうやくんのご機嫌が悪くなるので、今まではっきりとは言えなかったけど、今日は正直に言います。 さやかの夢は、いつかゆうやくんのお嫁さんになることです! ゆうやくんが無茶をしてこの前みたいに倒れないように、守ってあげたいです。 そして、ゆうやくんのミニチュアみたいな男の子を産んで、いっぱいかわいがってあげたいです。
でも、これはさやかが勝手に見てる夢だから、ゆうやくんはあまり深刻に考えないでくださいね。 ゆうやくんが結婚してもいいなと思ってプロポーズしてくれるまで、ずっと待ってます。
今はいっしょに暮らせなくなったし、二人とも仕事が忙しくて、これからは会える日も少なくなりそうで、寂しくて落ち込んでます。 それでも、さやかにはお母さんがいるけど、一人暮らしのゆうやくんはもっと寂しいんだよね? ゆうやくんは強がってるけど寂しがり屋さんだから、なんだかほっとけなくて、家を飛び出してそばにいてあげたいと思うこともあります。
けど、さやかにそんな勇気はなくて・・・。 小さい頃にお父さんが死んでしまって、それから苦労をして育ててくれたお母さんを悲しませるような形で一人取り残してしまうことは、どうしてもできません。 こちらこそ、何ひとつしてあげられなくてごめんね。
ゆうやくんのことを思うだけでも、胸が張り裂けそうに苦しくなります。 だから、ゆうやくんの彼女でいられるだけでもしあわせなことだと思うようにしてます。 こんなにステキな人とは二度と出会えないと思うから・・・。 そうすれば気持ちを落ち着けることができるから不思議です。
ここらへんで決意を書いておきますね。 さやかはゆうやくんだけが生きがいです。 ゆうやくんしか愛せません。 約束です!この気持ちは一生変わりません。
あと、さやかが夜勤明けじゃない日の朝は、ちゃんとお弁当を取りに来てね。 せっかく作ったのにずっと来てくれなくて悲しかったよ(…はっきり言ってちょっとだけ怒ってます!)
それと、ゆうやくんが留守の間に部屋に入ってもいいですか? 毎日は無理だけど、掃除とか洗濯とか、晩ご飯の用意とか・・・できるだけしてあげたいと思ってます。 ゆうやくんがジャマでなければ、帰りを待っていたいなあ。 さやかが作った晩ご飯をおいしそうに食べてくれるところが、また見てみたいです。 そんなことすると、よけいにつらくなっちゃうのかなあ?
最後だけは伊予弁で・・・ ほしたら、返事待っとるけんね〜!
FROM さやか
◇ ◇ ◇ ◇
あっけなく同棲生活が終わり、出逢った頃の気持ちに戻ろうと思ったけど、しあわせの絶頂から谷底へ突き落とされた感じがして、ぼくには無理みたいだった。 一歩後退どころか、五歩も十歩も後退してしまったようで、気持ちの切り替えができずにいた。 あんな手紙を書いておきながら、なんて心が弱い男なんだろう。
そんなとき、キミが届けてくれたこの手紙。 ぼくはキミと出逢えた奇跡に感謝してる。
ぼくの傷あとを優しくいやしてくれることができるのは、絶対にキミだけで・・・。 キミとふたりなら、水たまりだらけのデコボコの道だって平気で歩いてゆける。 どんなに大きな壁も乗り越えてゆける。
だから、ぼくはキミの夢をかなえるため、一生懸命生きてみようと思う。
やっとキミを愛する覚悟ができたよ。 ありがとう!
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