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2005/01/08(土)
バックモニター死角の構造
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宅急便のデリバンに乗り、めったに通らない狭い路地でバックしてたら、突如「ドスッ!」と鈍い音がした。 暗視がきくバックモニターがついているから、クルマや電柱、塀なんかに当てることはないはず・・・。 だけど、クルマから降りてみてビックリ! なんと、なんと・・・デリバンの左後方、バックモニターと同じ高さのところに、民家の鉄骨の角がグサリ。 死角に入っていて、全然見えなかった。 ゆっくり当たったから、穴までは開いてなかったけど・・・。
ぼくも血の気がひいたけど、当てられた家の人のほうがよっぽど驚いたにちがいない。 「大きな音がして家が揺れたけん、相当あわてたよ〜ッ!」 そう言いながら、おばちゃんと高校生ぐらいの娘さんが家の中から飛び出してきた。 「すいません。お家は大丈夫ですか?バックしてたら当てちゃって・・・不注意でゴメンなさい」 ぼくは帽子を取って謝った。 「あれぐらいじゃビクともしないよ。それよりクルマがヘコんだねえ。会社に帰ったら怒られるんじゃない?」 頭ごなしに怒鳴られるかと思ったら、逆に心配してくれている(…ホッ!) 「怒られるのは当然だから・・・でも、ホントすいませんでした。申し訳なくて・・・。どうしたらいいでしょう?」 ここはとにかく謝るしかない。
「そんなに謝らんでもええよ。これからここ通るときは気ィつけてね」 おお・・・心の広いお方! 「はい。ありがとうございます」 ぼくはもう一度丁寧にお辞儀をして、その場を立ち去った。 ああ、助かった〜!
しかし、宅急便センターに帰ってから、試練が待っていた。 センター長に報告すると、やっぱり・・・。
おまえはアホか!修理代ナンボかかると思っとんや! あんなところに頭から突っ込んだら、バックするのがどんなに大変か、わかりそうなもんやろ!? ボケ! 新年早々トロイことをすんな! だいたい、おまえはマヌケなんや 注意力と判断力に欠けとる!
説教とも罵詈雑言(ばりぞうごん)ともつかぬ恨み節≠ヘ、まるでとどまることを知らないかのようだった。 ぼくはうな垂れ、うな垂れた頭を何度か叩かれ・・・。 ただ「すいません」と「ゴメンなさい」を交互に繰り返すばかり。
そうやって嵐が通り過ぎるのをひたすら待っている間にも、野次馬の先輩たちが集まってきて、ニヤニヤしながら好き勝手なことを言う。 「キレイな女子大生に気を取られたんじゃねーの?」 「こいつ彼女いるのに、そんなフシダラなことを?そりゃ天罰だ」 そうかと思えば、無責任に擁護する者もいる。 「これが男の勲章!立派なもんや」 「ゆうやも男になったか・・・」
まあ、しょせん他人事なんだから、どうにでも言ってくれよ。 悪いのはぼくなんだから・・・。
バイトの女子大生がポツンとつぶやいた。 「ゆうやさんにも、誰にもケガがなくてよかったですね〜」
何よりそれがいちばん。 これから運転するとき、無駄なバックはしないぞ〜ッ!
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