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2005/10/12(水)
他人の陰口をゆうときは・・・
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人間誰だって、みんなの前で褒められるとうれしいものだ。 「エヘヘヘ・・・それほどでも・・・」 と、小首をかしげながら、でも、心のなかでは派手にガッツポーズをする。 「少しはゆうやを見習ったらどうだ?」 と、さらに言葉を付け加えられたりしたら、ぼくの心は一気に褒めてくれた人のほうへと傾いてゆく。
しかし、そうゆうふうに公の場で褒められるのは非常に稀なことだ。 ちょっとしたミスや人に聞かれたくないことをみんなの前で叱責されたり、遠慮なくケナされたりすることのほうがはるかに多いような気がする。
そんなときは、やはり誰だって反抗心が湧き上がってくる。 「みんながいるところで言わなくたっていいじゃないか」と。
だから、世の中に大勢いる「先生」と呼ばれる立場の人や「上司」とされる立場にある人には、ぜひ心掛けてもらいたい。 部下や生徒を叱るときには、なるべく人目を避けること。 褒めるときにはみんなが見ている前で褒めること。
なにも難しいことじゃない。 自分が生徒だったあの頃、まだ平社員だった何年か前の気持ちを思い出せば、実に簡単なことだ。 当時の自分がされて嫌だと感じたことは、部下や生徒も同じように嫌なのだ。 わかったか!!!
そして、これは組織の上下関係にある者同士に限ったことではない。 対等な者同士にも当てはまることだ。 「友人を責めるのは密かにし、これを褒めるのは公にせよ」 これはドイツの諺である。
ただし、いくら同僚を密かにケナしたいと思っても、本人のいない前であれこれ陰口を叩くのは許せない。 先日、息が詰まりそうなほど狭い更衣室で着替えをしていたら、ドアの向こうの部屋から話し声が聞こえてきた。
「あいつ結婚しとるのに、こんなバイトみたいなことやっとったらいかんやろ?」 「嫁はん看護婦らしいで」 「ほんとけ?ほしたら、お茶濁し程度に仕事しとったらええだけなんやな。そんな男のどこがええんやろ?」 「さあ?・・・・・・じゃないの?」 「え〜っ!けど、純情そうな顔して案外そうかもな」 「わっはっは」
着替えを終えたぼくがタイムカードを押すために更衣室を出た瞬間、その場が凍りついたことはゆうまでもない。
「他人の陰口をゆうときは、全てのドアをノックするぐらい細心の注意を払え」 これは詩人ゆうやの諺である。
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