【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
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2005/10/13(木) 景色が変わったのはぼくのせい?
 
中学生の頃、毎日下校するときに通っていた「秘密の道」がある。
人通りがほとんどなくて、もちろん通学路ではない。
秘密の道は桜名所の公園のすぐ横を通り抜ける海沿いの小道だけど、平日公園を訪れる者はいない。
週末になるとこの公園ではアンパンマンショー、マジレンジャーショー、仮面ライダーショーなどのイベントが度々あり、そのときには子供連れの家族で賑わう。
それでも「秘密の道」を知っている者は、地元の者以外にはまずいない。
地元の者は知っていても絶対に通らない。

ぼくらは面白がって「ワープゾーン」と呼んでいたが、実際にはとんでもない遠回りのコースであり、途中からは自転車も押してじゃないと通れないような獣道になってしまうのだ。
徒歩通学で時間を持て余している、ごく一部の瀬戸二中(仮称)の生徒でなければ、通行意欲が湧かないだろう。

秘密の道が獣道へと変わってしまうあたりに、小さくて「名もなき入り江」がある。
浜辺にはわずか3軒ほど民家が並んでいるが、人影を見ることはほとんどない。
じいちゃんに聞いた話では、昔は夏になれば海水浴客も多く、潮干狩りの行事もあったようだ。
しかし、ぼくが知っている限りでは、そんな活気溢れる場面に遭遇した記憶がない。
主要県道から数十メートルしか離れていないのに、世間から忘れ去られたような場所なのだ。

今年の春、その名もなき入り江に10年ぶりに行ってみた。
その頃、住んでいた近所に点々とある映画「がんばっていきまっしょい」のロケ地を訪ね歩き、「時間旅行」とゆうタイトルで追想文を書いていて、その取材のついでに足を伸ばしたのだ。
取材とゆうと大げさに思えるだろうが、規模は小さくても取材は取材なのだ。

さて、そのときにはこの入り江を取り上げなかった。
特に思い出となる出来事がなかったからだ。
しかし、景色だけは毎日毎日見ていたから、写真を見なくてもすぐに浮かんでくる。
「変わったような気がする」
10年ぶりに見た感想はそうだった。
このあたりに開発の人の手が伸びるはずもなく、天災で地形が変わるほど大きな被害を被ったとゆう事実もない。
それなのに・・・。

このことはずっと気になっていた。
が、ちょうど結婚に向けてひた走っていた時期だったから、当時すぐ近所に住んでいたけど、それどころではなくなってしまった。
それから半年。
どうでも良さそうなことだけど、ぼくにとっては大事な原風景のひとつ。
どうゆうふうに変わったような気がしたのか・・・確かめてみたくなり、名もなき入り江に行ってみた。

まずは、入り江への近道である東側の獣道を歩いて下ってみる。
「もっと急な坂道じゃなかったっけ?」
少年の頃には急だと感じた坂道が、今はなだらかに感じる。
道幅は相変わらず狭く、改修工事が施された形跡などどこにもないのに・・・。

次に、入り江を見渡せる位置に立ってみる。
「あれ?昔から小さいことは知っていたけど、こんなにも小さな入り江だったっけ?」
何も変わらない景色なのに変わったような感じがしたのは、景色の大きさを測る「ぼくのモノサシ」が変わったからなのだ。

この10年間、ぼくは他の場所でいろんな景色を見てきたし、つらく悲しく・・・でもハッピー途中経過の人生を歩んでいる。
身体と精神両面の成長と変化は自分なりに大きくて、さらに物事を比較対照する能力が伸びたために、同じ景色が違って見えるようになったのだろう。

少年時代のぼくには見えなかったものが、今のぼくには見えるのかも知れない。
逆に、見えなくなったものがあるのかも知れない。
残念なのは、見えなくなったものが何なのか、それが分からないことだ。

できることなら、いつまでも澄みきった瞳で見ていたい。
見慣れたその顔も、あの景色も。
愛すべき全てのものを澄みきった瞳で見ていたい。
・・・そんな気がする今日このごろ。


とゆうことで、またまたマジメンタルなエッセイを書いてしまいました。


 ◇ ◇ ◇ ◇


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