|
2005/10/06(木)
しあわせな香り
|
|
|
夕方から夜間にかけて宅急便の仕事をしていると、行く先々で『しあわせな香り』が漂ってくる。 ちょうど晩ご飯どきだから、家族みんなの笑い声と共においしそうな香りが、玄関先にいるぼくのところまで届くのだ。
以前のぼくは、この『しあわせな香り』が嫌いだった。 「普通の家庭に生まれたかったなあ・・・」 胸の奥でそんなふうにつぶやきながら、戻るはずもない過去に幻想を重ねて思い浮かべる自分がいたからだ。
でも、今は変わった。 「ぼくだって部屋に帰れば・・・ねっ♪」
ちゃんと明かりがついている。 晩ご飯を用意して、ぼくの帰りを待ってくれている人がいる。
すれ違いの日も多いけど。 それでも・・・。 今のぼくにとっては十分すぎるほどしあわせなのだ。
「大好きな子と結婚できてよかったなあ」
さわやかな秋の風を感じるたび、ささやかなしあわせを噛みしめている・・・今日このごろ。
|
|
|