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2005/12/28(水)
もうひとつのクリスマス☆プレゼント
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澄みきった夜空に北の星座がきれいな夜9時過ぎ。 26日の日記『クリスマス☆プレゼント』で書いた家に荷物を届けに行った。 朝一番に荷物は届いていたけれど、配達時間の指定がなかったし、「いつでもいるだろう」と考えたので後回しになってしまった。 ホントは何故か行きにくかったりしたんだけど・・・。
ぼくは白い息を吐きながら、古い豪邸の門のところに取り付けてある呼び鈴を鳴らした。 今度はすぐに母親が出てきてくれた。 普通に荷物を手渡して伝票に受領印を押してもらい、ペコリとお辞儀をして帰ろうと背中を見せたとき、母親に呼び止められた。 「ちょっとだけ待ってくれる?お忙しそうなのに申し訳ないんだけど・・・娘があなたに渡したい物があるのよ」 渡したい物ってなんだろう? 期待とゆうより戸惑いのほうが大きかったけど、ぼくはすぐに返事をした。 「はい・・・」 母親はそれを聞くと、嬉しそうに家のなかに入っていった。
玄関先で待っていると、母親があの女の子を乗せた車椅子を押してきた。 ぼくのすぐ近くに来るまで女の子は恥ずかしそうにうつむいたままで、赤いリボンが付いた小さな紙袋を大事そうに胸に抱いていた。 母親が言った。 「この子があなたにクリスマス・プレゼントを渡したいって言うの。迷惑じゃなかったら、受け取ってやってもらえませんか?」 人の情けは甘んじて受け入れるぼくだけど、ちょっと予想外だったシチュエーションに揺れた。 「あ、はい・・・でも・・・なんか悪い気がするし・・・」
煮えきらないでモジモジしているぼくを見て、母親は優しく言った。 「この子はガラス越しに見えるあなたがずっと好きだったの。それで、こないだ笑いかけてやってくれたでしょ?この子に。それがとても嬉しかったそうなの」 ぼくはどう答えてよいのか、わからないでいた。 「・・・・・・」 母親は続けた。 「ただの憧れだから、あまり深刻に考えないでね。軽い気持ちで受け取ってやってもらえたらホントありがたいです」 女の子はぼくと視線が合うと、あわてて瞳をそらした。 はにかんだ仕草がとても意地らしかった。 こんなにお願いされて、それでも結婚していることを理由に断るのは、あまりにも野暮ったすぎる気がしてきた。 ここはありがたくもらってあげるべきだな。 そう考えたぼくは結局、女の子からのプレゼントを受け取った。
そのときのぼくは極度に照れていたから一字一句覚えてはいないけど、たぶんこのようなことを言ったはず。 「プレゼントどうもありがとう!大切にするよ。これからもぼくを見かけたら笑ってねっ!」 ぼくの言葉を聞いて、女の子はすごく嬉しそうに微笑んでくれた。 その傍らで母親もうんうんとゆう感じで満足そうにうなづいていた。
手渡されたのはCalvin Kleinのロゴが入った紙袋だった。 大きさと軽さと紙袋の上から触った感触とで総合判断すると、中身はボクサーブリーフのように思えた。 もしそうだったら、マジでやべ〜っ!! お嫁さんに何と言えばいいんだろ? 他の女の子から、パンツをプレゼントしてもらったなんて・・・とても言えないし、まさか堂々と穿くわけにもいかない。 おばちゃんにもらったと嘘をついたとしても、たぶん年内は口をきいてもらえそうにない。 困ったなあ。
そんなこんなであれこれ思い悩んだけれど、お嫁さんには正直に伝えることに決めた。 彼女は怒るどころか、ぼくの話に大きな瞳をうるうるさせて感激してくれた。 そして・・・話を全部聞き終えた後でこう言った。 「ってか、中身は何なの?さやかが開けるよ」
チョー★ドッキドキの一瞬。 中身によっては慌ただしいこの年末に、『ゆうや&さやか不仲説』なんてタイトルで日記を書かなければいけないかも知れないのだ。 ジャーン♪ Calvin Kleinの紙袋のなかから出てきたのは・・・ビジネスマンが穿くような普通の靴下だった。 Calvin Kleinってパンツの専門メーカーじゃなかったんだ。 あーあ、数時間も思い煩ってバッカみてえ!
古い豪邸に住む女の子さん、あんがとねっ♪ かっけー靴下・・・素直に感謝してるよ。
◇ ◇ ◇ ◇
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◆クリスマス☆プレゼント http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=12&D=26
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